語り合いのその先に
木曜日にあった市民センター館長等研修で、講師の牧野篤先生が紹介されていた実践事例の1つが、島根県益田市で行っている「益田版カタリ場」というものだった。
NPO法人カタリ場がやっているものは、大学生×子どもで、ナナメの関係と言っているそうだけど、益田市ではまちでまた会うから「またねの関係」と言っているんだとか。
高校生×企業の大人、中学生×地域の大人、小学生×高校生など、地域の様々な世代で語り合っていて、人口44,000人のまちで、8,000人が語り合ったまちになったそう。
語り合いをして、地域の人たちとのつながりができたことで、子どもたちから「地域のためにこんなことをやりたい!」と提案するようになったということだった。
そして、もともと過疎化が進んだまちで、高校卒業後は9割がまちを離れ、2割しか戻ってこなかったところ、今は7割が帰ってきたいと思うまちになっているんだとか。
子ども時代にボランティアとかの経験を積むことで、利他性や互恵性が高まって、地域への誇りを持つようになるという調査結果があるそうで、これは大人との良い関係を子ども時代に経験することの影響が大きいとのこと。
そして、そういった環境で育つことで、肉体的にも精神的にも強くなっていくというお話だった。
益田版カタリ場に参加した子どもからは、「学校では失敗しちゃいけないと思ってたけど、地域の大人を見たら失敗している人はいっぱいいて、失敗してもいいことに気づいた」という言葉が聞かれたそう。
子どもの頃って見えている世界はとっても狭くて、それがすべてな気がしているから、失敗しちゃいけないって思ってしまう気持ちもよくわかる。
大人になって色々な経験を積んだ今なら、あんなことたいした問題じゃなかったなとか、あれくらいの壁は今なら楽々越えられるなと思うようなことがたくさんある。
子どもの頃に自分の身近な大人の人たちの、失敗も含めた人生を聞くことが、相手の違った一面を見たりより深く知って関係を築くことになるだけでなく、視野を広げることにもつながる。
そうした関係性や視野の広がりが、その先色々な壁にぶつかった時に乗り越えていく力の1つにもなるんだろうと思った。
こうした取組みを経て、益田市がどんなまちになっていくのかとっても興味深い。
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