見守られる側から見守る側に
今日は福岡県公民館実践交流会があって、宗像ユリックスに行ってきた。
4つの会場で分科会がそれぞれ2回あるから、興味のある事例を2つ選んで聞くことができる。
家庭教育の分野の発表で、筑前町四三嶋(しそじま)区の自治公民館の、「地域愛あふれる子どもたちを地域全体で育む取組を通して~「はぐみ」一枚の葉から大きな花へ~」というお話を聞いてきた。
発表者は元民生委員さん。
平成26年に全世帯対象に実施したアンケートで、健康意識が高い人が多いことがわかり、朝のラジオ体操をすることにしたそう。
最初は夏休みにやっていたものが、今では通年、お盆とお正月の数日休む以外は、平日の月曜から金曜まで朝の6時半からやっているんだとか。
それだけでもうすごい。
70代の自分より高齢の人たちが続けているから自分もがんばろうと思えるし、夏休みになると子どもたちも参加してくれるから、高齢者にとってはそれも励みになって続いているとのことだった。
26年にはじめたラジオ体操をきっかけに、知り合った子どもたちと仲良くなって、自然に登下校の見守りが始まったり、あいさつができるようになっていったそう。
そして、クリスマスには子どもたちがケーキを持って高齢者宅を訪ねたり、高齢者宅の不燃物回収や仕分けの手伝いなどのボランティアをするようにもなったんだとか。
民生委員さんから声掛けをしてそうした活動に関わってきた子どもたちが、自主的に学校帰りに高齢者宅に立ち寄って様子を見てきてくれて、「行ってきたよ!」と報告してくれることもあるそう。
子どもたちが、見守られる側から見守る側になっていっているというお話だった。
テーマにある「はぐみ」というのは、生け花の「葉組」からきていて、葉っぱを組み合わせて形をつくっていくことの他に、抱きしめるという意味もあるんだとか。
「1人1人が小さな葉っぱでも、集い、触れ合うことで、地域として大きな花を咲かせたい」「家庭と地域で、子どもたちを優しく抱きしめるように育んでいきたい」という思いで活動してきたと言われていた。
地域であたたかく見守られ、育まれてきた経験が、その地域や人に対して、自分にできることをしていこうという思いになっていて、素敵な循環だなぁと思った。