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通勤日記ー好色広告ー

 動物学的にいえば、性交渉は子孫存続の行為だ。だが人間学的にいえば、それは快楽だったり遊行だったりする。身体からだの構造上、男が攻め女が受けるという構図を思い浮かべるが、実際にはそんな単純な解釈では説明できない。いまは男女同権。それは床の世界でも同じなのだ。

 そんな現代では、性に関する情報も豊富だ。ぼくが若いころは、「ハウツーセックス」という本だけが唯一のテキストだったが、いまはコンビニの窓側に、そのような本がたくさんあふれている。そしてそれは、コンビニだけでなく、通勤の電車でも眼に触れることがある。

How to sex

     ☆     ☆     ☆

 前にこの日記で、電車の吊り広告が好きだと書いた。味気ない通勤の風景に、様々な情報で潤いを与えていると主張した。その気持ちは今でも変わっていないのだけれど、どうも最近に気になることがある。それは、氾濫する「SEX」という文字である。

 週刊誌などの広告には、どこかに必ずといっていいほど、「SEX]という文字が躍っている。「午後の人妻SEX談義」だとか、「SEXで綺麗になる」だとか……。日本に初めてきた外国人が、これらの吊り広告を見たら、どのように思うのだろうか? ぼくは別に国際派ビジネスマンではないが、やはり外国人の目は気になる。

 そもそも「SEX」という単語は、男女を区別する「性」という意味であるが、ここで使われる意味は「性行為」そのものであることは、いうまでもない。言い古された話で恐縮だが、ある日本人が海外旅行の飛行機内で入国カードを記入するとき、「SEX」という欄に「週二回」と書いたという逸話いつわが物語るように、日本人のコンセンサスとして、「SEX」は「性行為」と同義なのである。

 最近では「性行為」を「SEX」ということは少なくなった。誰がいい始めたかは知らないが、「エッチ」と発音するのが一般的になっている。これは若い人だけでなく、中年層においても「最近エッチしてないから……」という人が多い。ただしこれは口語体での話であり、文章で表現するときはやはり、「SEX」「性交」「男女の交わり」などと書くのが主流である。

 誤解の無いようにいっておけば、ぼくは「性」をオープンに語ることに反対しているわけではない。少子化がいちだんと進む日本において、高齢化社会の問題を根本的に解決するには、若い人たちの夜の頑張りが最も有効であると考えている。かの中国が一人っ子政策をとっていたが、日本は逆に子だくさん政策を打ち出してもいいんじゃないかと思う。その意味でも、若い夫婦は夜な夜な頑張っていただき、子供をたくさん作って欲しいと思う。

 ただし、少し真面目な話をすれば、小さい子供を抱えた夫婦でも、キチンと働くことができる社会基盤の整備が大前提であることは、いうまでもない。働きたい女性が、安心して子供をもてる世の中にしなければ、少子化問題は解決しないと思う。

 話を戻すと、このような「SEX」が氾濫はんらんする広告が、本来真面目に取り扱わねばならぬ「性」を、興味本位だけで垂れ流されていることを危惧きぐしている。また、日本人はセックスが大好きな国民だと誤解する外国人が出てくることにも憂慮している。

 過去にも、東南アジアへの買春ツアーが、世界的に非難されたことは記憶に新しい。いたずらに人を欲情させるだけでなく、もっと真面目に技術や手法を論じたり、病気や予防を考えさせる、啓蒙的な情報を増やすべきである。

 また、ウィットに富んだジョークや笑い話なども、実に楽しいと思う。その際思うのが、吊り広告には「SEX」ではなく「セックス」と表現して欲しい。すでにセックスは日本語として通用するのだから。


・・・つづく


・・・これ以降は下ネタになるので、不快に感じるひとは、ここで終わりにして欲しい。

【おまけ(何かの雑誌で読んだ、ちょっとエッチなお話し)】

 夫の手術の立ち会う奥さんが、執刀医にききました。

「先生、もし手術に失敗したら、主人はどうなってしまうのでしょうか?」

「まず失敗はしませんが、万一の場合、右半身が不随になるかもしれません」

 それをきいた奥さんは、

「先生、ちょっとまっていただけますか」

 そういうと、ベッドに横たわるご主人の股間に手をやり、真ん中にあるものを、そっと左側に寄せたそうです。

【おまけのはなし 2】

 子供を連れてバスに乗っていたとき、

「ママ、おちんちん食べたい、おちんちん食べたい」

 子供がきゅうに騒ぎだしました。

「まあ、なんてこというの。静かにしなさい」

 ママがたしなめるも、子供は止めようとしません。

「おちんちん食べたい、おちんちん食べたい」

「いい加減にしなさい、怒りますよ」

 ママが言うと、子供は泣きながら、

「ママだって昨日、パパのおちんちん食べたじゃないか!」

 と言ったそうです。


・・・本当に次へつづく

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