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トイレの香り

「これ、トイレの匂いね!」

ある秋の日、神代じんだい植物公園のばら園を散策していたら、となりの家族から、こんな声が聞こえてきました。

神代植物公園のバラ園(写真は春)

「えっ、トイレ?」

ぼくは驚き、そのご家族を見ました。

ですが、そこには、ごく普通の、優しそうな笑顔が並んでいました。

トイレとバラの取り合わせが、みょうな感じに思えたのですが・・・。

考えてみれば、家ごとにトイレの香りがあっても、不思議ではありません。

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そこで「芳香剤」というキーワードでウエブを検索してみると、実にさまざまな香りに、あふれていることを知り驚きました。

「ラベンダー」「ローズマリー」「ローズ」といった、アロマ定番の香りだけではなく、「カモミール」「ユーカリ」「レモン」「ペパーミント」など、まるで精油せいゆを選ぶような品ぞろえなのです。

中には「炭」というものまであり、どんな香りなのか気になるものもありました。

(その後商品を購入したら、火のついた炭の香りがリアルに漂った。)

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そういえば・・・。

1970年の初頭しょとうから90年代前半あたり、トイレの消臭剤と言えばキンモクセイ、という時代がありました。

水洗トイレが普及していない時代、悪臭に負けない強い香りを求めた結果、なのだそうです。

思いだせば、たしかにキンモクセイの香りがする消臭剤があったし、「臭い匂いは、元からたなきゃダメ」というCMが、テレビから流れていました。

金木犀の花

いまは「キンモクセイ」の香りとトイレのイメージが定着しすぎた反動と、消臭技術の発達、および多様化への対応として、さまざまな香りの消臭剤が商品化されているんでしょう。

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ところで・・・。

みなさん、どのような基準でトイレの香りを選んでいますか?

基本は好きな香りだと思いますが、いろいろな効果も考えた香り選びをしてみるのも、面白いんじゃないでしょうか?

たとえば、トイレでリラックスしたいのか、リフレッシュしたいのかで、選ぶ香りは違ってきます。

便秘に悩む人なら、ラベンダーやマージョラムなど、リラックスする香りがいいと思います。

オフィスなどのトイレだったら、疲れた頭をリフレッシュさせる、ローズマリーやミントなどがいいかもしれません。

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誰にも干渉されない唯一ゆいいつの個室!

そう考えると、ほんのわずかなトイレットタイムだが、単なる排泄はいせつの時間ではなく、香りというスパイスで有効に使いたいですね。

一生で費やすトイレの時間は、相当だと思いますもんね。

・・・おわり


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