まぼろしの果実「ぽぽー」
ぽぽーという果実を知ったのは、NHK BSで放送されている「にっぽん縦断こころ旅」という番組だ。
ご存じのかたも多いと思うが、俳優の火野正平さんが、自転車で旅する番組だ。
視聴者から寄せられた思いでの風景をさがし、そして手紙を読む。
火野正平さんの人柄もいいが、それにも増して、手紙の内容がいいのだ。
ひとりひとりに人生があり、思いでの風景がある。
ときにこころが熱くなる。
じつは火野さん、オンエアのときは、食用なのかも知らず、落ちている実を拾い、食べたのだ。
その後・・・。
1015年秋の旅直前スペシャルで、番組スタッフがしらべ、謎の実の名前が分かった。
それが「ぽぽー」だったのだ。
☆ ☆ ☆
それから数年が経ったころ・・・。
なじみの産直で野菜を買おうと、埼玉県小川町まででかけたときだった。
なにげなく並んでいる野菜を見ていたら、そこに「まぼろしの果物ぽぽー」とあってビックリ。
そこにあったのは、あけびのようなカタチの果実。
これは買って帰らないと！
そしてわが家についたぽぽーは、包丁で二つに割られ、スプーンですくわれ、ぼくの口に入った。
クリーミーで甘い！これが第一印象。
森のカスタードという異名があるそうで、食べてみると、なるほど納得。
とにかく南国という感じ。
バナナとマンゴーをミックスし、リンゴの滴と落としたような味かな？
そんな印象だ。
☆ ☆ ☆
その後、いろいろなところで、ぽぽーを見るようになった。
先日も、群馬県の八ッ場ダムにいったら、そこの産直で売っていた。
その他にも、埼玉県のときがわ町や鳩山町でも見た。
栽培農家が増えているのだろうか？
わからないが、近所のスーパーで見かけたことがない。
どうやら、日持ちのしない果物らしく、産直でないと販売できないらしい。
わが家で買ったぽぽーも、数日で表面が黒ずみ、早く食べてくれと悲鳴を上げた。
スーパーに並ばないから、まぼろしの果実なのかも。
おわり
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？