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通勤日記ー汚いはなしー
これから話すことは、少し汚い会話が入っているので、気分の悪い人や潔癖性の人は読まないでほしい。
☆ ☆ ☆
まったく参ってしまう。いまぼくの隣に座っている中年男性のコートが、襟も袖も裾も、あらゆるところが汚れている。おまけに七人掛けに七人座っているため、肩や肘が密着していて、なんとも気分が悪い。満員電車に乗ることが多いサラリーマンにとって、コートや背広をきれいに保つことは、最低限のルールとして守ってほしいものである。
そういえば、たまに電車の中でぷーんとたばこの臭いが漂ってくることがある。ふと周りを見渡すと、発車間際に飛び込んできた人が、はあはあと荒い息づかいで肩を上下していたりする。ぼく自身たばこを吸わないので、たばこの臭いはあまり好きではない。
よく居酒屋などで、吐き出した煙が顔や耳あたりをはい上がり、いったん髪の毛に入って頭上から立ち上るのを見ると、なんとも不気味な感じがする。たばこを吸う人は、少なくとも会社に出かける前に歯を磨き、息に気を使ってほしいと思う。
また臭いといえば、もっとも閉口するのが女性の香水だ。満員電車で身動きがとれないときに、鼻先に漂う刺激的な臭いは、自分自身は好きな臭いなんだろうが、すべての人があなたと同じ趣味じゃ無いんだぞ、といいたくなる。以前は中年女性にその傾向が多かったが、最近は若い女性も、結構きつい臭いをさせている。
以前友人から聞いた話であるが、満員電車でスペースを確保する方法があるそうだ。(本当に友人から聞いた話で、体験談ではない。念のため)それは、仲間同士で満員電車に乗った際、次のような会話をするんだそうだ。
「そう言えばおまえ、最近風呂入ったのはいつだっけ?」
「そうだな、一週間まえかな?」
「ひどい湿疹は治ったのか?」
「いや、まだ痒くて、時々電車に乗っていても、かいてしまうんだよ。そういうお前だって、水虫は治ったのか?」
「うん、無事完治したけど、今度はワキガに悩まされているんだ」
こんな会話されたら、嘘だと思っても気持ちよくないから、周りにだんだんスペースができるという話だが、あまり誉められたことじゃない。決してまねをしないでほしい。
ところで、隣の汚れコートおやじは、結局終点の和光市まで一緒だった。なるべく付かないように力を入れていたら、肩がこってしまった。
・・・おわり