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人と金属の出会い!あまり知られていない【鋳造のルーツ】について


鋳造の始まり

人類が金属を使い始めてから1万年近くたつといわれていますが、その加工方法は鍛造に始まり、鋳造、プレス、切削、溶接など様々な加工法がうみだされてきました。下記の絵はエジプトのテーベの遺跡から出土した、パピルスにかかれた扉の鋳造の様子で、紀元前2,000年以降にふいご(送風装置)が発明され絵で示すように足踏みふいごでるつぼ内の銅を溶解し、その当時の扉をつくる鋳造の様子が描かれています。  

古代 鋳造


日本の鋳造のはじまり

日本には紀元前300年ごろ南朝鮮から北九州の海岸地帯に、弥生武土器と共に青銅器と鉄器が、同時に中国大陸から朝鮮半島を経て日本に渡来したと考えられています。鋳物(いもの)で有名な奈良の大仏!鋳造でつくられていたのはご存じでしたか?745年に聖武天皇の発願で奈良の東大寺の大仏の建立が始まり、752年に開眼供養会が行われました。高さ15m、重さ250トンという巨大な青銅鋳物で、8段に分けて鋳造されたそうです。当時この巨大な鋳物をつくるのにどれだけ多くの人員が必要だったのか考えると、先人の偉大さを感じます。

仏像


鋳造が可能な金属

金属を溶かして鋳型(砂型等)に入れ込み冷やして固める手順で、基本的には溶かせる材料であればなんでも鋳造できます。鋳造で得られた製品を鋳物といいますが、その特徴は、形状の自由度が高いこと、大きさの自由度が高いこと、生産数の自由度が高いこと、、リサイクル性が高いことなどがあげられます。今回はその材料の中でも、『アルミニウム合金』と『銅合金』の特性をご紹介いたします。


アルミニウム合金の種類と特性

密度が2.70g/㎤と低く金属の中でも軽量な方です。融点は、660.3℃です。電気・熱伝導性に優れ、展延(薄く広げのばせること)性に富んでいます。自動車部品をはじめ、船舶用、ロボット部品など様々な部品に適用されています。

アルミニウム合金鋳物の種類

アルミ


銅合金の種類や特性                             

密度が8.94g/㎤で、金属の中では銀に続いて2番目に電気・熱伝導(特に 耐海水性)に優れることから、給水関係や船舶部品などに多く使用されます。軟らかく展延性に優れ加工しやすい材料です。

銅合金鋳物の種類

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