【Vol.646】メモに余白を残す!
【本のタイトル】
マッキンゼーで学んだ速い仕事術
【著者】
大嶋祥誉
【インプット(引用文章)】
メモを取るときに、スペースでいっぱいにびっしりと文字を書き込むタイプの人と、適度に余白を持たせて書くタイプの人がいます。実は、後者の方が仕事を速く進める才能の持ち主であるといえます。
確かに、小さい文字で何度も同じ文字を書くと、記憶しやすいという効果はあります。漢字の書き取りなどを思い浮かべるとわかると思いますが、びっしり書くと「頑張った」という充実感も得られます。実際に、そうしたびっしり書く方式の記憶法も提唱されているようです。
しかし、メモをもとに思考やイメージをする場合には、この方法は適しているとは言えません。適度に余白を作っておいた方が、思考を促す効果があるのです。
単純に、びっしり書き込んだメモと、適度に余白を持ったメモを比較すると、余白がある方に読みやすさを感じるはずです。「読みやすい」ということは、脳が情報を理解しやすいという意味でもあります。
余白があることで、読む時に、自分が書いた情報をしっかりと理解することができます。また、余白には間を生み出す効果があるので、情報を精査しながら思考を深められるような感覚も得られます。
例えば、チラシやカタログを見た時に、すんなり頭の中に入ってくるものと、何を伝えたいのかよくわからないものがあります。適度な情報量が整然とレイアウトされ適度に余白があると、伝えたい意図が瞬時に理解できます。
また、読み手の思考が促され「このサービスを利用すると、こういうこともできるのか」「これを部屋に置くとすると、生活はこんなふうに変化しそうだ」などとイメージができます。余白があることによって、脳がクリエイティブに働く。これこそが余白の最大の効果であるといえます。
誤解のないように付け加えると、重要なのは「適度な余白」であり、ただスペースを設ければいいというわけではありません。スカスカで散漫な書き方をしていると、あとで読み返した時にも、焦点がぼやけ、思考が働きにくくなります。余白を作ることが目的になってしまっては本末転倒です。
あくまでも明確な意図のもとに余白を作る必要があります。自分にとって「適度な余白」の目安を掴んでおきましょう。
伝統的に、日本人には余白を重んじる独自の美意識があるとされます。
書道や絵画などでは、あえて余白を作ることで詩情や余韻が生まれ、目に見えるものの存在感が際立つ効果があります。また、余白は精神的なゆとりや落ち着きをもたらします。
想像力に関連していえば、日本人には「見立て」の美学があります。たとえば、日本庭園には、しばしばこの「見立て」の技法が用いられています。
枯山水では白砂や小石が「水の流れ」に見立てられ、庭全体は宇宙に見立てられているともされます。茶の湯の道具なども景色として見立てられ、それを鑑賞して味わう文化があります。
トップコンサルタントのメモも、こういった見立ての美学につながるものがあります。ぜひ、余白を活用して、クリエイティブなメモ作りにチャレンジしていただきたいと思います。
【アウトプット(具体的アクションプラン)】
思考を広げるために、メモに余白を残す!
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