【Vol.689】苦境時は”信念”に立ち返る!
【本のタイトル】
憂鬱でなければ、仕事じゃない
【著者】
見城徹/藤田晋
【引用文章】
僕の逆境といえば、なんといっても、ネットバブルが崩壊し、会社が買収されそうになった時。
僕は親しく付き合っていた経営者に、突然、厳しい口調で買収を持ちかけられました。僕は、震え上がりました。その人は、それまで僕にプレゼントをしてくれたり、優しい言葉をかけてくれたりしていたのです。
さらに頼りにしていた人に援助を断られ、自分より何枚も上手な人たちに囲まれ、どうすればいいのかわからず、ビジネスというものの冷酷さを知ったものです。
あの時ほど、孤立無縁というものをひしひしと感じたことはありません。僕のこれまでの人生における最低地点は、間違いなくあそこだったと思います。
そんな時、僕は楽天の三木谷社長に会う機会があり、次の四半期決算も良い結果は出せそうにないことをふと漏らしました。三木谷社長は、言いました。
「いいよ、そんなもの。中長期の経営をしているんだろう?だったら、信念を貫けよ」
”信念”---、この単純明快な言葉に、僕はハッとしました。ずっと何かに振り回されていている自分に気付かされたのです。
僕の信念は、「21世紀を代表する会社を作ること」。その信念をしっかり見据えていなかったため、周りに翻弄され、迷走していた。僕は、一瞬にして初心に立ち返ることができました。
その時の苦境で、僕は腹を括りました。たった一つ、これに命をかけているといえるほどのものを持つこと。それが信念の意味です。
信念を持っていると、どのようなトラブルに見舞われても、ドンと構えていられる。どこかから強いプレッシャーをかけられても、右往左往せず、「だから何なんだ?」とはねつけられます。
あの時28歳で、経営者としては赤ん坊だった自分を思うと、それからも苦労を重ね、30代の終わりに差し掛かった今は、多少腹が据わったかなと思います。
【具体的アクション】
困難を乗り越えるために、苦境時は”信念”に立ち返る!