【Vol.246】営業マンの商談を観察する!
【本のタイトル】
マーケティングリサーチとデータ分析の基本
【著者】
中野崇
【引用文章】
エスノグラフィーという言葉をご存知でしょうか。エスノグラフィーは、民族学、文化人類学などで使われる行動観察を中心とする研究手法です。ある民族の特徴を調査するため、生活に入り込み、長期間にわたって彼らの生活スタイルを観察、対話して、文化や行動様式を記録していきます。
近年、この「エスノグラフィー」という手法がビジネスにおいて新しいニーズや課題を発見するための有効な手法として注目されています。
例えばあなたが「営業プロセスの抜本的な効率化を実現したい」と思ったら、複数の営業パーソンに1週間ほど、張り付いて、彼らの行動を丸ごと観察してみてください。
商談中、移動中、休憩中、席で作業中、ずっと隣でひたすら観察します。そして「この作業はいるのかな?」と感じた瞬間があったら質問します。このような観察調査を実施すれば、必ず多くの仮説を得ることができるはずです。
観察調査は多くの深い気づきが得られる一方で、時間や手間が非常にかかり、それをまとめ上げるには高いスキルが必要となる調査手法です。
にも関わらず、今改めて注目されビジネスシーンでの活用が試みられているということは、やはりあらゆるビジネス課題が複雑化していることの現れなのでしょう。
筆者も営業プロセスの抜本的BPR(業務内容やフロー、組織、ルールの再設計)を企図するプロジェクトにおいて、ベテラン・中堅・新人それぞれの営業担当に1週間張り付いて観察調査を行った経験があります。自分自身が元営業だったこともあり、課題の仮説構築には自信があったのですが、
*当時よりも想定以上に事務作業が増大しており、支援するシステム整備が追いついていない
*部門間の交渉、調整の時間がかなり増大している
*情報管理体制の強化により、自宅や出先での作業が難しくなっており、生産性が落ちている
*結果として、商談に割ける時間が減ってしまっている
など、自身の営業時代には顕在化していなかった課題に気がつきました。全ての観察調査を終えるのに1ヶ月近くかかりましたが、非常に有意義な示唆を得ることができました。ぜひ、試してみてください。
【具体的アクションプラン】
営業マンの商談を観察する!
→営業マンの成約率を底上げできるよう、現状の商談を観察する!
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