【Vol.645】「手書き」で脳を刺激する!

【本のタイトル】
マッキンゼーで学んだ速い仕事術

【著者】
大嶋祥誉

【インプット(引用文章)】
ビジネスのおいて重要なのは、問題解決という成果を出すことにあります。解決策を導くには、自分の頭で思考する必要があります。思考して得られた解決策を、最終的に企画書やレポートなどの資料にまとめていくという流れです。
私が知る優秀なコンサルタントは、思考する段階からパワーポイントなどのソフトを使うことはほとんどありません。最初はノート(紙)を使って考え、パソコンに向かうのは、あくまでも最終段階に達してからです。
では、なぜノートを活用するのか。書くことで思考を深め、さらに思考を整理して記憶に定着させるためです。その方が最終的なアウトプットを完成させるスピードも速くなるのを実感しています。
ポイントは、手で書くという行為です。手書きには、私たちの脳を刺激し、思考に広がりと深さをもたらし、さまざまな情報を結びつける効果があるのです。
もう少し詳しく解説しましょう。
私たちの脳は、3つの部分に分けることができます。先ず、脳の中軸部に当たるのが「脳幹」。人間が生きていく上で大切な免疫系、内分泌(ホルモン)系、自律神経系、脊髄筋骨格系の4つの系統に関与しています。
「大脳辺縁系」は、食欲、性欲、睡眠欲などの本能、喜怒哀楽、情緒などの感情、睡眠や夢などを司っています。
そして脳の表面を覆っている「大脳皮質」は、ものを知覚したり、運動を制御したり、未来の予想、計算、推理などに関与し、人間の知的な活動を支えています。
私たちの脳が情報を記憶する時には、二つのパターンがあります。頭で覚える「陳述的記憶」と、体で覚える「手続き記憶」です。
漢字や元素記号などを覚えるのが陳述的記憶ですが、この記憶は一度覚えても忘れてしまうことがあります。一方、手続き記憶は自転車の乗り方や楽器の弾き方などを覚える記憶です。一度覚えれば、忘れにくくなる特徴があります。
試験勉強などで知識をひたすら暗記したのに、なかなか覚えられない、ちゃんと覚えたはずなのに試験が終わったらすぐに忘れてしまったという経験は、誰もが持っていると思います。こういった頭で覚える記憶は、なぜ定着しないのでしょうか。
実は、頭で覚えようとしたことは、脳内の大脳辺縁系にある「海馬」というところで処理され、重要度の高いものだけを、記憶に関与する大脳皮質に送るという仕組みになっています。
一度海馬を通過する過程でフィルターにかけられるので、覚えようとしたことが全て記憶されるわけではありません。
これに対して、体で覚える手続き記憶は、海馬よりも奥にあり、人間の運動に必要な筋肉の動きをコントロールする「大脳基底核」と小脳の「ニューロンネットワーク」で処理されるため、定着しやすいのです。
紙に手書きする行為は、頭で考えるだけではなく、手という体を使っています。つまり、頭だけで考えているときよりも、ペンを使って体で考える方が、脳の活用部分が多いため、記憶にも定着する効果が期待できるのです。ぜひ、手と思考の共同作業で思考を深めていくというイメージで取り組んでみてください。

【アウトプット(具体的アクションプラン)】
仕事のパフォーマンスを高めるために、「手書き」で脳を刺激する!

#自己啓発 #読書記録 #マッキンゼーで学んだ速い仕事術 #大嶋祥誉

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