【Vol.498】自問自答を繰り返す!
【本のタイトル】
ブチ抜く力
【著者】
与沢翼
【インプット(引用文章)】
自説にひたすら反証を繰り返す「一人突っ込み」の手法は、ベンチャーキャピタルから資金調達する直前に実施される「投資委員会」を参考にして考え出したものです。投資委員会とは、ベンチャーキャピタルの役員などから寄せられる、そのベンチャー企業に関する懸念点や問題点などに対して、ベンチャー企業の現場担当者が回答しプレゼンしていく場です。
出資するベンチャーキャピタル役員側としては当然利益になるかを見極めたいので、成長の見込みのない企業には投資をしたくありません。そこで、投資委員会では自分達のリスクを減らすため、「このビジネスモデルは本当に機能するのか?」「こういうトラブルが生じた時、本当にこの会社は持ち堪えることができるのか?」など、出資後に想定できる全てのリスクに対して質問を投げかけていきます。
その問いに対して現場担当者やベンチャー社長が反論できなければ、「まだ不安要素が大きく見えないリスクがある」として出資は見送りになります。
私自身、アパレル企業経営時代にベンチャーキャピタルから出資してもらうために、この投資委員会や部長・役員面談等を経験しました。そして、ベンチャーキャピタルの担当者と一緒に、投資委員会で予想される突っ込みに対する反論を徹夜して練り上げた経験もあります。
投資委員会や部長・役員面談で遭遇する質問は辛口なものが多いので、相手に違和感を感じさせずにスマートに論破できるように、自分の中でのロジックをきっちり固めておく必要があります。
この「一人突っ込み」の賜物だったと思います。
リップルを叩く記事をひたすら探し、それを論破するだけでなく、ライブ配信で「リップルを支持する理由」を述べ、その場で寄せられた批判に対してもどんどん反論していきました。
結果的に全ての悪口に対抗できたので「自分の思考プロセスは間違っていないであろう、もしこれで失敗しても後悔なし」と確信し、安心してリップルへの投資ができました。
人間というのは不思議なもので、多くの人は自分が「こうあってほしい」と思うような情報ばかり見てしまいます。
リップルを買っている人は「リップルは今後、爆上げするに違いない」「リップルは今後、基軸通貨になるに違いない」などという、自分にとってポジティブな記事ばかり読んでしまうようなものです。
確かに、自分のセンターピンを脅かすような反論記事を読み続けるのはストレスかもしれませんが、あえてネガティブな情報を取り入れることで、自分が考え忘れていた視点やすっかり抜け落ちていた知識や情報がインプットされるメリットもあります。
さらに、自分自身の思考スタイルもどんどん論理的になっていくし、良い意味で“悲観的”にもなれるし、次のテーマでセンターピンを探す際にも多面的な物事の考え方ができるようになります。
何より、偏った決断の下で盲目的に行動し、大々的に失敗するのを防ぐことができます。自分が投資するもののネガティブ面やリスクはしっかりと理解した上で、それらマイナス点を越えていけると思うからこそ投資するわけです。
「一人突っ込み」は頭の筋トレだと思って、ぜひ実践してみてください。
【アウトプット(具体的アクションプラン)】
思考を深めるために、自問自答を繰り返す!