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賃貸していた家が競売にかかった。

 写真やカメラに関係ないことですが…ジャンルに捕らわれず、いろいろなことを書いていこうと思います。

 10年以上前、まだ古い家に住んでいた頃のこと。古い家というのは我が家の中の通称で正確には前に住んでいたマンションのこと。マンションと言っても3階建てで1階は大家さんの八百屋、2階と3階が賃貸で2階に住んでいた。もしかしたらアパートと呼ぶものかもしれないけど、軽量鉄骨だったし、見栄を張ってマンションと言っていた。そういえば建物名も○○マンションだったから間違いではないはず。

 一人目の子供が産まれて、二人目がまだ妻のお腹の中にいた頃。大家さんが脳梗塞で倒れて八百屋が閉店してしまった。それからしばらくして、私のところに裁判所から通知が届いた。住んでいるマンションを競売にかけるという話であった。私も関係者のひとりとなった。早速、目黒にある民事執行センターに書類を確認しに行った。要約すると大家さんの借金の返済が滞ったので、競売にかかるという話。確か落札の最低金額が建物だけで4,000万円ぐらいだったか。(土地は借地だった…)

 民事執行センターの書類を確認して驚いたことに、我が家の部屋の内部の写真があったこと。え!なぜ??

 そこで思い出した。ちょっと前に大家さんが、「小さいお子さんがいるのでアスベストが心配だから、不在の時に確認させてほしい。」もちろんどうぞうどうぞとなった。大家さんは鍵も持っているし。

 翌日、大家さんから菓子折りをもらう。なぜと不思議に思うも、今思えばそういうことか…大人の世界は怖い。

しばらくして気持ち悪いこと、不可解なことが起こり出した。

①    注文もしていないのにピザが届く。

②    玄関ドアをガチャガチャしていく奴が現れる。(鍵は閉まっていた)

③    知らない弁護士が来て、①②のようなことが有ったと伝えると、競売物件だからこれからもいろいろあるかもしれないと遠まわしに脅される。

④    極めつけは知らない人の保険証(原本)が届く。住所と部屋番号は我が家。

 保険証は受け取れないので、当然、受け取り拒否。しばらくして同じ人宛てに給与明細も届く。連絡を取りたくなって開封したら、派遣会社からだった。派遣会社に電話し、こんな人いないから送らないよう伝える。

 また、しばらくして今度は区役所の人が直接来た。この人住んでいないのかという質問。紙面で住んでいない旨を記載してもらえれば、職権で住民票から抹消してくれるとのこと。お願いした。

それっきりその人宛ての郵便物は来なくなったような気がする。

⑤  もともと3階に住んでいた老夫婦は競売になってから早々に引っ越していった。しばらくして入居した人はこれまた怪しい人だった。言ってみれば、その筋の人ぽい。

⑥  空いていた1階の店舗にもその人が紹介したと思われるお店が入ってきた。バッグやカバンを安く売っているようなお店。

 あるとき、マンションの入口にたくさんの人が押し掛けた。何かと思えば3階の住人の強制退去命令が下りたらしい。もちろん裁判所から。鍵を開けさせて、その日のうちに何から何までも持って行ってしまった。冷蔵庫の中身が入っているにも関わらず、運んで行った。(引っ越し業者の人が中身入っているけどいいのか言っているのが聞こえた。)その後、玄関に立ち入り禁止の張り紙が貼られた。

 早速、民事執行センターに書類の確認に行った。あぁなるほど、3階の人が競売妨害として○○信金が訴えて認められたらしい。

 やがて競売が完了し、新しいオーナーが決まった。競売の日程は民事執行センターで分かっていたので、今後の家賃の支払い先を民事執行センターに電話して聞いてみた。事実上、新しいオーナーになったので、書類上完了(登記完了)していないくても、新しいオーナーに払うようにとのこと。ということで、今までの大家への支払いをストップした。数日後、新しいオーナーが我が家に来た。今後はこちらに家賃を払えというのと、今までの賃貸契約書のコピーが欲しいというのと、引き続き住むのかどうか。住みたい場合は嘆願書みたいなものを一筆書いてくれとのこと。

 結論からすると、仕事もちゃんとしている一般人と判定されて住み続けることができた。賃貸契約書は向こうから何も言ってこないので、締結せず、現行の契約書が法定継続として有効になった。

 この新しいオーナーも、競売物件を取り扱う不動産屋で海千山千の怖い人だった。声からして怖い…

 話が少し変わるが、不動産には抵当権が設定されている場合が多い。一般の人がローンなしで家とか買えるわけないからね。抵当権が設定されている物件に後から入居した賃借人にとって、「賃貸契約」とどっちが「強い」かと言えば、「抵当権」の方が強いらしい。つまり、新しいオーナーが出ていけと言われれば、出ていかなければならないということ。逆の場合、つまり賃貸契約をしてから、その建物に抵当権が設定されれば、賃貸契約の方が強い。この辺りは法律の専門家ではないから本当かどうかわからないが、当時、ネットをググりまくって調べた結論。

 たとえば、競売物件に住んだ人の賃貸契約書に法外な敷金が設定されているとすると、誰も入札しないからね。それで法律が改正され、抵当権が早い場合は抵当権が優先になったらしい。本当かどうか詳しい人がいたら教えてほしい。ネットの情報を素人がつなぎ合わせた結果なので。

 そんなこんなでまとめると、競売物件に住んでいるといろいろなことが起こる。また、一般論として競売物件に住んでいる人は怪しまれるらしい。

 そんな出来事があり、早々に土地を探し、ハウスメーカーに家を建ててもらった。今となっては勉強になった出来事。

 新築の家に出ていくときもひと悶着あり。新しいオーナーには敷金も礼金も払っていない。正確には新しいオーナーから請求されたら払う必要ありらしいことは私は知っていた。残念ながら前の大家さんには敷金は返してもらっていない。引き払うときに、新しいオーナーはもらっていない敷金を私に返さないといけないと思っている。でも新しいオーナーは払いたくない。私はすでに敷金は諦めていて、新しいオーナーから請求されるといやなので、お互い敷金はなかったことにして合意になった。(良かった良かった)

 最後に隣に住んでいた床屋の奥さんが私のところにきて、看板が境界線を無視して床屋の土地に建っているって。そんなこと私に言われてもねぇ。今まで八百屋の奥さんと仲良かったような気がするが。

 妻もストレスがあったかと思うけど、そんな中、2人目の子供は元気に産まれました。

娘の足①
娘の足②


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