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引き伸ばし機用レンズのはなし

引き伸ばし機用レンズ沼というのがあるらしい。いやある。私がその沼の住人だから断言できる。

私の書斎は暗室になるように水道を引き、備え付けのテーブルまでハウスメーカーに頼んだ。書斎にはLucky 90MSとFocomat 1Cが所狭しと鎮座しているが、あまり使っていない。

というのも猫がいるので、トレイに現像液やら停止液、定着液があると舐めやしないか心配だし、そもそも書斎に猫のトイレがあるので、密室にはできないのである。まぁ、9割は片付けが面倒くさいからやらない言い訳なのだが。

ということで、普段は月2回、半蔵門にある日本カメラ博物館の隣のJCIIのビルの地下の暗室でプリントしている。

JCIIの暗室には引き伸ばし機としてフジB69が十数台、Focomatが3台、Focomat 2Cが1台、Nikon、その他45用ベセラーなどいろいろあるが、私はフジB69とFocomat1Cをよく使う。

当然、レンズも備え付けがあるのだが、いつもマイレンズを持参している。

「馬は替えても、鞍は替えない。」「パソコンは替えても、キーボードは替えない」それと一緒(笑)

自然と引き伸ばし機のレンズも増えていき、当然ながら比較したくなる。


Fujinon 50mm 
Focotar 50mm
EL Nikkor 50mm 新しい方(絞値が点灯)
EL Nikkor 63mm
EL Nikkor 50mm(初期のバージョン)
EL Nikkor 40mm

↑ ウン十肩になって、大四切のプリントをするときに50mmではピント合わせ中に引き伸ばし機のピントリングに手が届かなくなり、40mmを入手した。

シュナイダー COMPONON-S 50mm 

この比較プリントをした後に Rodenstock ROGONAR 50mmも入手。残念ながらこのプリントは無い。

見る人が見れば、違いが判るのだが、言ってしまえば六切プリントぐらいでは、違いが判らない(笑)

それでも、EL Nikkor 63mmは評判どおりいい感じだと思う。

最近、フィルム現像を自宅でやる人が増えているという話を聞いたことがある。さすがに自宅でプリントする人は一気に減るだろうけど、是非とも自分でフィルム現像した人は引き伸ばし機でプリントまでしてほしいと思う。

「家に帰るまでが遠足」という言葉が小学生の時に誰でも聞いたことがあるが、「プリントするまでがフィルム」という言葉を作りたい。

赤い暗室ランプの下で印画紙を現像液に浸して、徐々に表れてくる像を体験するときっとやめられなくだろう。

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