inacagraphy2 配信リリースに添えて。
※2017.1.1 ~ 2017.12.31 に限定配信したアルバムです。
その後、CD『inacagraphy+』へと繋がりました。
2014年秋に“incagraphy”という作品(4曲)を、noteで販売しました。
それ以降の音メモを中心に、再編集、最録音し、新しい作品にしました。
公開した時点ではなかなか至らなかったところ、後から直したり、加えたり。
そんな作業を、2016年10月から始めました。
その間、音メモの更新が滞り、目掛けてnoteを開いてくださった方がいたら、申し訳ないです。
目標であった、1月1日リリースに辿り着けて、とてもほっとしています。
2017年、いいスタートになりました。
“inacagraphy2”には、未公開曲も収録しています。
“tone”という、歌とピアノの、シンプルな曲です。
その前の曲、“children grow up surely”と繋がっていて、2曲で1つ、と思っています。
もともと、“children grow up surely”というピアノの曲は、初めて作ったデモテープに入っている曲がもとになっています。
そのデモテープを一緒に作った友人が入籍した日に、その曲をピアノアレンジして贈りました。
その友人が保育の仕事をしていることにも掛けたタイトルですが。
楽器を始めた時期が一緒で、よくお互いの家を行き来し、練習していて。
以前にも書いたと思いますが、田んぼしかない道でも、楽器を持って走っているだけで、特別なことをしているような気分になりました。
それから何年もして、何も特別ではない、普通の大人になりましたが、確実に少しづつ大人になっていることに、まずは感謝しなければいけないんだなという思いも含めています。
友人は結婚式で、自分を紹介するVTRに、“children grow up surely”を使ってくれました。
少し恥ずかしかったけど、うれしかったな。
そして、それに続く曲を作り、また贈りました。
いつも俯いたような歌詞しか書かないのに、とても上を向いた、前を向いた歌詞になりました。
“tone”という曲です。
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“tone”
あやとりをしながら 赤い糸を小指に結び
どこに届くだろう なんて
何年先だろう 見えない糸の先をたどる
あの頃 わからなかった
足跡が今日交わって気づく
ああそうだ 糸は指になくて
足下にあり そうして結ばれる
歩みをそろえたとき
雨宿りのために立ち寄った小さな店
写真立てをどこかに飾ろう なんて
何年先でも 写真に並んで 歳を撮る
重ねていこう 二人で
明日から今日が思い出になって
そうだ 毎年花を買おう
当たり前が増えて慣れないように
花の香りを 覚えていよう
今そう思ってたところ って伝わる度に
素直に笑い合って
明日またそんなことがあるように
足跡に寄り添って伸びる糸は
木のように根を張り枝を伸ばし
この町の雪の白にも負けない
鮮やかに色づくだろう
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僕らが住んでいるところには、何百年もそこにある、大きな木があります。
作りながら、その木が浮かびました。
ジャケットにも手を繋いだ二人がいるので、いろんなことが繋がった作品になりましたね。
歌ってくれたのは、橋本愛里さん。
今は「記憶のソーダ」という音楽ユニットをされていて、出会ったときは「スパンクル」というバンドのボーカルさんでした。
こうして友人への祝福を手伝ってくれました。
“inacagraphy2”への収録も、快く協力してくれて、とても感謝しています。
「記憶のソーダ」も「スパンクル」も、どちらも素敵な音楽なので、ぜひ聴いていただければと思います。
ひとつ前の記事でも触れましたが、ジャケットは近藤康平さんの絵です。
1m×1mくらいあります。
でも本当は、2m×3mくらいあった気がします。
音楽に合わせて描いてくださり、真ん中を切り取って持ち帰れるようにしてくれて、それ以来ずっと部屋に飾っています。
近藤さんのライブペインティングは本当に素敵で、物語が進むように、どんどん重なっていきます。
この絵も、夜の海から、朝がきて、動物たちが起きだして、昼になって、人物が現れて、夕方になり、海を眺める二人で終わる、そんなライブペインティングでした。
秋田へ移ってからもこの絵を眺めていましたが、登場人物の二人がこっちを見ているように思うこともあれば、背中を向けているように見えたり、春や夏に見えたり、秋や冬に見えたり、不思議な絵です。
本当に大好きな絵なので、ジャケットにできて、本当にうれしいです。
inacagraphy2
iTunes で配信販売中です。(※現在は終了)
レコチョク、mora、Spotify、などでも配信が始まりました。(※現在は終了)
今、どんな風に音楽を聴いているのか、人によってまったく違うと思いますが、できるだけたくさんの音楽サイト、アプリで配信するようにしました。
お手持ちの、お使いの方法に合わせて、聴いてみていただけるとうれしいです、そして、購入していただければ、とてもうれしいです。
もしこれで幾ばくかお金を得たなら、音メモづくりに還元して、また次の作品に繋げたいと思います。
よろしくお願いします。
satohyoh