バンディエラ とは
6月。梅雨になり、祭日もなく、辛い一か月に入りますね。特に屋根無しチームである横浜FCのサポーターにとっては辛い季節になってきました。ズブ濡れの中、マスクも濡れるし、声ぐらい出せないとやってられないですよね。
野々村さん、頼みますよ!
さて今回は、5月最後の試合で「ハマのバンディエラ」こと元横浜FC・現レノファ山口の佐藤謙介選手との対戦が実現した事を受けて、テーマを『バンディエラ』にしてみました。
ならサムネ写真も謙介にしろよと言われそうですが、そこは本文を読んで頂いて。
バンディエラ、とは
バンディエラ(bandiera)= イタリア語で旗🇮🇹のこと。
これが元で、サッカー界ではチームの象徴的な選手の事をバンディエラと言います。
サッカー選手におけるバンディエラの定義
実は決まった定義はないようですが、ざっくり言うと『長く(おおむね10年以上)在籍し、そのクラブの象徴となるような選手』といったところのようです。
必ずしも、そのクラブ一筋で引退まで行かないとバンディエラと言われないというわけでもないようですが、イメージとして『現役生活のほぼ全てをそのクラブに捧げた選手』がバンディエラと呼ばれるようです。
ですので、長く在籍していたからといってバンディエラと言われるわけではなく、例えばカズさん。
2005年から、レンタル期間はあるものの実に15年以上横浜FCで活躍していますが、横浜FCのバンディエラと言われることはありません。逆にヴェルディのイメージが強い昭和の人もまだいるでしょう。そこで
バンディエラ指数
…というのを決めてみたいと思います。構成要素は5つ
①チームの在籍年数の現役年数に対しての割合
②自チームではなく、他チームのサポーターからも認知されている存在かどうか
③そのチームの中でのカリスマ性
④現役最後もそのチームで引退しているか否か
⑤その他の特別な要素
それぞれ20点満点で100点が最高です。
賛否あるかとは思いますが、お付き合いください
海外のバンディエラ
第5位 ジュゼッペ・ベルゴミ(イタリア)
1979-1996 インテル🇮🇹
バンディエラ指数:90
同じくバンディエラ指数90だったマンチェスター・ユナイテッドのライアン・ギグスと悩んだのですが、僕がユナイテッドよりインテルが好きというのと、その風貌で5位にランクイン。
13歳でインテルの下部組織に入団したのち、引退までインテルを貫いたMr.インテル。ベルゴミのつけていたインテルの背番号2は永久欠番となっています。
正直プレーっぷりはそこまで覚えていないのですが、何よりも見た目ですよ、見た目。
こんなつながった眉毛に髭。ベルゴミ以外にはゴルゴ13でしか見たことがありません。
第4位 スティーブン・ジェラード(イングランド )
1998-2015 リバプール🏴
2015-2016 ロサンゼルス・ギャラクシー🇺🇸
バンディエラ指数:93
みんな大好き、ジェラード。スティーブン・ジェラードという名前だけでかっこいいのですが、闘争心、大事な試合で決める力、リバプールというチームなどバンディエラ要素満載。残念ながらリバプールで引退というわけにはいかなかったので、第4位に甘んじました。
ジェラードといえばミドル。ミドルといえばジェラード(か、スコールズ)。説明するよりも、ミドル集だけで酒が飲めるレベルの動画を夜のお供にどうぞ。
第3位 パオロ・マルディーニ(イタリア)
1985-2009 ACミラン🇮🇹
バンディエラ指数:95
ミランに生涯を捧げた男。16歳でトップデビューを果たし、41歳で現役を引退するまでトップレベルで試合出場を続け、セリエA出場647試合という金字塔を打ち立てた鉄人。ACミランでセリエA優勝7回、UEFAチャンピオンズリーグ5回という金字塔と合わせて、まさにバンディエラという存在でした。左利き、左サイドバックというのも好きな人は好きになるポイント。
お父さんもACミランでキャプテンを務めた選手、子どももACミランの下部組織ということで、サラブレッド一家と言われることもあります。
引退後、なぜか49歳にしてプロテニスプレイヤーとしての挑戦を開始するも、一試合のみの出場で引退を表明しています(このためバンディエラ指数マイナス5)
しかし、野球に挑戦したマイケル・ジョーダン、アメフトに挑戦した若乃花など、一線を退いたスポーツ選手が別種目に行くので成功したのは見たことがないですね⤵︎
第2位 フランチェスコ・トッティ(イタリア)
1993-2017 ローマ🇮🇹
バンディエラ指数:100
ローマ生まれ、ローマ育ち、ローマユースからローマのトップチームに上がり、16歳のデビューか40歳の引退までローマ一筋で通したローマの王子様、トッティ。どんだけローマなんだよ、というぐらい、ローマ🍝と言えばトッティでした。
今では絶滅危惧種となった典型的10番のプレイヤーの印象が強いですが、なにげに身体を張ったポストプレーもこなすという優れたプレイヤーでした。
前線の選手で怪我にも悩まされながら長年ローマに君臨したトッティ、文句なしにバンディエラです。
トッティのラストゲームは今やリバプールのエース、サラーとの途中交代で、この2人が同じチームというのも不思議な感じがします。
そして途中交代と言えば、スクデットを獲った2001年の天王山ユーベ戦。負けると勝ち点差を3に縮められる0-2の状況からトッティに替えてナカータが登場→ゴラッソで1-2としたのち、ロスタイムに再びナカータのミドルから同点に追いつき、勝ち点差6をキープしたという一戦は日本人サッカーファンの溜飲を下げた一戦でした。
ちなみにトッティには、ローマ退団後にヴェルディ入りの噂もありましたが、噂は噂でした。
第1位 カルレス・プジョル(スペイン)
1996-2014 バルセロナ🇪🇸
バンディエラ指数:100
まさにバンディエラ of バンディエラ。バルサの下部組織出身で、5回のリーガ・エスパニョーラ優勝、3回のUEFAチャンピオンズリーグ優勝など、バルサの黄金期を支えたキャプテンです。
特別足が早いわけでも背が高いわけでもないのですが(178cm)、気合いとカーリーヘアと『岩壁』と言われた身体の強さで確固たる地位を築きました。
岩武よ、目指せハマのプジョル💪
私生活も派手な事をせず、家で読書するのが好きというのもまた好かれるところですね。
バンディエラ指数はトッティと同じ100なのですが、闘将っぷりが評価されて第1位に輝いています。おめでとう、プジョルさん👏
日本のバンディエラ
第5位 石川直宏
2000-2002 横浜F・マリノス
2002-2017 FC東京
バンディエラ指数 90
みんな大好きナオさんが(勝手に)第5位にランクイン。ジュニアユースからF・マリノスでしたが、期限付き移籍でFC東京に移ってから花開き、すっかりFC東京のアイドルに。
サーファーということもあって長めの髪と、ちょい髭が若干のうさんくささを醸し出していましたが、足の速さと人望、幾多の怪我に負けない力強さで東京のバンディエラとなりました。
代表にはあまり縁がありませんでしたが、ザッケローニさんには良い評価をされていましたね。
現在FC東京のクラブコミニュケーターとして様々な活動をされています。
第4位 森崎和幸、森崎浩司
和幸 1999-2018 サンフレッチェ広島
浩司 2000-2016 サンフレッチェ広島
バンディエラ指数 平均94
言わずと知れた森崎兄弟。二卵性双生児です。
サッカー界の兄弟と言えば、日本では佐藤勇人/寿人、山瀬功治/幸宏、高木三兄弟、石崎兄弟などいますが、双子でかつ2人とも長いサッカー生活をユースから引退まで一つのチームで終えた兄弟というのは今後も出てこないでしょう。
浩司さんはオーバートレーニング症候群という診断でしたが、後に実はうつ病だったと告白しています。
トップアスリートになるとストレスもものすごいでしょうし、みんな優しくしましょうね。
第3位 本間幸司
1996-1999 浦和レッズ
1999-水戸ホーリーホック
バンディエラ指数 95
まさにJ2の生き字引。1999年に浦和から移籍し、同年チームはJFLから J2に昇格。2000年からJ2を見続けています。
ちなみに2000年のJ2リーグはこんな感じ
まだ延長Vゴールがある時代ですよ。J2の主、ジェフユナイテッドはまだ名前がジェフユナイテッド市原でJ1に。横浜FCはJFLにいる時代です。ヴァンフォーレは5勝32敗とぶっちぎりの最下位。そんな時代から魔境J2で戦い続けている本間幸司。
まさにバンディエラにふさわしい第3位となりました。
第2位 城後寿
2005-アビスパ福岡
バンディエラ指数 98
まだ引退していない選手の中で、バンディエラと言える選手といえば、第3位の本間は別格として…サンフレッチェ広島の青山敏弘、柏レイソルの大谷秀和、ベガルタ仙台の富田晋伍、ヴァンフォーレ甲府の山本英臣などなどまだいますが、その中でもバンディエラ指数が高いのが城後寿。
アビスパと言えば城後、城後と言えばアビスパです。
まず、「城後」という名前が良い。城後姓は日本に1300人しかおらず、そのうち800人が福岡県にいらっしゃるそうで、もちろん城後寿も福岡県出身です。
プレースタイルは無骨なトッティ。この男らしいのがまた玄人受けするんですよね。
2017-2020まで岐阜、徳島、愛媛などに在籍した元スペインU-21代表のシシーニョが『城後に憧れてJリーグに来た』という程の魅力を持つ男、城後寿。
2016年4月16日の名古屋グランパス戦は、城後の30歳の誕生日ということで『城後DAY』と銘打った試合が企画されるなど(熊本地震の影響で別日に延期となった)、まさにファンにもチームにも愛される選手。このまま引退までアビスパとの相思相愛を貫き通してほしいものです。
ちなみに、毎年、城後の契約更改の時は福岡の街が盛り上がるそうです。
第1位 中村憲剛
2003-2020 川崎フロンターレ
バンディエラ指数 100
文句なし、満場一致で誰もが認める日本のバンディエラ、中村憲剛。僕なんかが何も言う事はないです。全てが素晴らしいの一言。
特に引退してからの解説業、SNS活動などでの聡明さは素晴らしく、人にわかりやすく伝える事も上手なんですよね。
話は少しそれますが、フロンターレ出身で活躍している選手たちや、今シーズンからフロンターレに加入した瀬古樹を見ていると、一度大学に入ってサッカーだけではない経験を積む事って、大いにアリだよな…と思っています。
それにしても、まさに日本サッカー界の財産とも言える中村憲剛。映画『名探偵コナン 11人目のストライカー』にも本人役として出ているのですが、これどうしてみんな中国とかのパクリアニメみたいな微妙な感じに仕上がったのかが知りたいですね…
最後に
思いつきで書いてみたバンディエラ特集、読んでいただいてありがとうございます。
書くきっかけになった佐藤謙介との再会。
「ハマのバンディエラ」は見た目チャラチャラしてるし、ひょろっとしてるし、走り方はかったるそうなのに、長短織り交ぜたエレガントなパスに加えて、戦うところは戦う、で横浜FCサポーターから愛されている選手なんですよ。
でも、謙介まだ33歳。仮に43歳までこのままレノファ山口で現役なら「山口のバンディエラ」になる可能性もあるわけなんですよね。
先の話、引退してから戻ってくることを願いつつ、今はレノファでの活躍を応援しましょう。