おっさんずラブ in the skyの三角形。
6話まで来ちゃいましたね。
同じ家で同じごはんを食べて、たわいもない話で笑いあい、仕事ではリスペクトしあって、毎日が穏やかに続いていく。やわらかな三角形のような3人。
それだけでいいはずなのに、それだけじゃダメ。恋、せつない。しんどい。
とうとう黒澤キャプテンによって、成瀬くんからシノさんへの気持ちに「恋」という名前がつけられ、全部の矢印がはっきりしてしまった6話。気持ちがざわざわしながらも相手に触らず離れずのふわっとした三角形を保っていたシノさん春田成瀬くんに、どーんと刺激を与えるのはいつも、三角の外にいる武蔵なんですよね。何度生まれ変わっても、構ってヒロインを許さない人。自分の言葉で自分の気持ちを伝える人。どんなに傷ついても。
シノさんが7日間で春田と叶えていった願いは「おもちゃを作る」「タピる」などで、カードめくられるたびに正直拍子抜けして「それ、別に付き合ってなくてもできるよね」と思ってた。どれも、40代と35歳の男同士でやるようなことじゃない。中学生か高校生の男の子が友達とちょっとふざけてやってるみたいな子どもっぽさで、どうしてなのかなあ、と思っていたのが、最後の「手をつなごう」でわかった。
わざとだ。シノさん、わざと「おとなの恋愛要素」、もっとはっきり言っちゃえば性的な匂いを極力はずして、春田と7日感を過ごしたかったんだ。
銭湯に行くとか、毛布にくるまってDVDを見るとか、やろうとすればいくらだってそういう雰囲気に持ち込める要素はあったのに、絶対そうしないようにしてた。最後の「手をつなごう」さえ、恋人つなぎじゃなくてただの、友だちみたいな握手で終わらせた。
シノさんはおとなだから。春田の気持ちがわかっていたから。
おとなは、実は、おとなのやりそうなことをそんなに簡単にはしないから、おとな、なんじゃないかな。
おとな、つらい。
友だちのような握手をしながらも、離したその手をそっと触れずにはいられない、がまんしてるおとな、つらい。
そしてそんな、おとなのシノさんの対極にいる成瀬くんはどこまでも、子ども。
子どもだから、「どうしてあげたらいいかわかんないんだもん」と体を差し出してしまう。子どもだから、おとなのやりそうなことをすればいいんだ、と思いこんでいる。
春田は、そんなふたりの真ん中ですよね。無理にキスしてしまう子どもなところと、「おやすみ」と成瀬くんを見送るおとななところと。
おとなと子どもとそのどちらでもない人が作る、三角形。
この三角形が、三角じゃなくなるときが、もうすぐ来るのかなあ。
ではまた、2315に。