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かなで書く夏の雲


7・8月のカレンダー「久も」

今日から7月ということで、カレンダーをめくりました。
あまりの暑さにまだ7月になっていなかったのか。と暦をめくって再認識

夏の空は突き抜けるような青空と表情を見せる雲が印象深く、部屋の中に雲の景色を。と思い書いたもの。

印押して眺めてみたら、芥川龍之介の蜘蛛の糸の情景のような印象もありで
蜘蛛も夏の季語なので、自由に感じるままに。

さて、仮名でかいた「久も」
仮名とかなは字が表す通り書道の世界では違います。
かなは[あ・い・う・え・お・・] 

仮名は中国から漢字が入ってきて漢字の音を借りてつくられたので漢字は真名(まな)に対して仮の字の仮名(かな)と呼ばれるように。

古い時代には同じ音に対していくつか漢字があてはめられていて
”あ”には[安、阿、悪、愛]
”い”には[以、伊、意、移]
の草書が使われていましたが、複雑なので明治時代に”あ”=安、い=以というように決められて今の48文字[ひらがな]の誕生です

48文字に選ばれなかった漢字を[変体がな]とよばれて仮名書の作品を書く時に使われます。

”く”の変体がなは[久、九、俱、求]などがあり
”も”には[毛、裳、母]など

九も

九を使用して書いた作品

漢字で作品を制作するのもおもしろいのですが、仮名を使用するとまた違った趣になります。

細い線で現すので、繊細、典雅、上品といったイメージがあると思いますが、書く時は固い毛質の筆を紙にしっかりあてて、でも滑らかにリズムよく流れるように書く。
見た目の印象よりかなりダイナミックな動きが必要。

細い線がゆえ、余白の白にパーンという響きがないと弱くか細い仕上がりになってしまって、それこそ蜘蛛の糸が切れてしまうことに。

リズムよく、スッキリと書けると余白の綺麗な静かで強い作品になります。


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