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りんごの蜜って?

リンゴ農家として全国へ直接販売もしていると必ず聞かれることがあります。

「蜜は入ってますか?」

この手の質問、お問い合わせには何度答えてきただろうか。農園ブログにも何度も記載してきました。

「りんごの蜜」については何度も書いてきたのでここでは省略しますが、りんごの蜜に価値を求める消費者がこれほど多いのか、、とも思ったりします。今の時代、りんごのシーズンになると輪切りにされたりんごの投稿が多く正直またこの手の写真か、、、と思ってしまう。消費者のニーズが沢山蜜入りしたリンゴならば生産者は蜜入りリンゴを作ればWINWINとなるはずなのだがそう簡単にはいかない。蜜入りリンゴを作るにはリスクもデメリットもあります。

蜜入りリンゴを作るリスク

蜜入りリンゴを作る方法はとても簡単。過熟気味に収穫すればいいだけ。ただ、私の住む青森県は11月中旬頃には雪が降ります。雪が降る程度ならまだいいのですが、寒波がきて気温がマイナスになろうものならリンゴが凍ってしまいます。なのでサンふじの収穫は11月中旬~20日頃を目安に収穫を終えるようにしなければなりません。雪や低温の心配のない産地では12月まで実らせて収穫する産地もあります。生育期間が長ければその分蜜入りする可能性も高いです。

蜜入りリンゴのデメリット

まず、貯蔵性が悪くなる。りんごは冷蔵技術の進歩とともに通年店頭に並んでいます。りんごのオフシーズンでも店頭に並んでいるのは収穫期に蜜入りしていない、または蜜入りの少ないリンゴたち。蜜入りしたリンゴというのは香りもあり瑞々しく収穫直後はおいしく食べれます。しかし過度に蜜入りしたリンゴは貯蔵中に褐変(腐敗)するリスクがとても高まります。腐敗しなくても過度に蜜入りしたリンゴは貯蔵中に食感が落ちやすいのも特徴です。

蜜入りリンゴの品種

蜜入りリンゴといって最初に思い浮かぶのが「サンふじ」。通好みのりんご「北斗」。最近ではほとんど蜜状態の「こうとく」なんかも人気品種だと聞きます。品種によっては蜜入りしないものもありますがそれらも十分においしい品種です。


世界には15,000品種あるといわれるリンゴの品種。生産者でも見たことも食べたこともないような品種があるので皆さんも沢山のリンゴを食べてみてくださいね~

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