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虹に見送られて

先日、お世話になった方のお墓参りにふらりと行ってきた時の出来事。

道すがら、小雨が降り始め、みぞれ混じりの冷たい雨に。

寒さが一段と進む中、無事お参りが終わり、なんだかスッキリした気分。

地方の在来線の電車に乗り込んでの帰り道。

休日の午前中でもあり、車内はガラガラ。

4人席のボックスシートを独り占め。

車窓から冬枯れの田畑をのんびり眺めていました。

雨は上がり、日の光も差し込み、少しうるおいをおびた田畑も明るくなってきました。

そんな中で、車窓から久しぶりに虹のアーチを見ることに。

あとで「虹の図鑑」という本で調べてみると、私の見た虹は「時雨虹(しぐれにじ)」という虹だったようです。

虹とは、太陽が空に浮かぶ水滴の中で
屈折・反射してして
色分かれして見える円弧上の光のこと。(p14)

【時雨虹】
秋の終わりに、冬型の気圧配置になって、日本海側から太平洋へ冷たい強風が吹くとき、雲が通り過ぎる際にパラパラと弱い雨が降ります。その雨に太陽の光があたり淡い虹ができることがあります。それが時雨虹と言います。

(同書p48)

図鑑には季節ごと、時間に応じて、場所によって様々な虹があり、それぞれに虹の名前がついていることが分かります。

地平線近くの虹、蕪虹(木の株や蕪のような形態の虹)、青空の虹、雲の中の虹、霧虹、露の虹、月虹。。。

冬ざれの中の時雨虹を、車窓から見るのはなかなか風情がありました。

電車からずっと虹が見えている。

虹の方に向かっているような、

虹が一緒についてきてくれているような、

そして、虹に見送られているような。

なんだか不思議な感じがしてきました。

虹は、雨と晴の微妙な時空間に現れ、そしていつの間にか何事もなかったように消えていく。

そして、普段の太陽光の中に、様々な色いあいが内包されている不思議さ。

そういば、「虹のたもとには宝箱がある」って子供の時に聞いたなあ。

なんだか本当の事に思えるような(思いたいような)気がしてきた一日でした。

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