Web会議システムde取材した件
※2020年4月13日、抜本的に更新。これで内容は伝わりやすくなったとは思いまする。無理矢理見出しを入れようとして、構成が破綻しておりました。
緊急事態宣言が発令されても電車混雑しているじゃん的なツッコミがあちこちで見られるが、一方でリモートワークをする企業が増えてきており、自分のクライアントも3社ほどが完全移行している。
その波は場末のフリーランスにも押し寄せてきた。「あんたの自宅で、Web会議システムを使って取材をしてくれ」との要望を受けたのだ。
■不安しかなかった
過去、Skype等のWeb会議システムを使って取材をした経験はある。だが、いずれも相手のオフィスに出向いた上で、遠隔地にいる社員を取材するといったケースに限られていた。自宅からWeb経由での取材というのは全くの初めてで、回線速度やアプリの設定等には大きく不安があった。
何せ最近、フレッツ光に入っているにも関わらず、下り10Mbpsという超低速を記録する日もあったので。プロバイダが混雑しているのか何かわからないが、どうにかしてほしい。ちなみに使うアプリが、見たことも聞いたこともないWeb会議システムだというのも不安材料でした。
そもそも顔を出すのが大嫌い。Skypeさえも導入せず(Office360加入者には1時間無料権がついているのに)、zoomも最近インスコするも全く利用したことがないというラベル。
が、そうした面より不安だったのは、Web会議での取材は、対面に比べて得られる情報量が圧倒的に少ないという点だった。で、実際に取材をしてみて、確かに難しいなぁと感じさせられてばかりだった。
■言の葉以外からもネタを拾っている。
世の中の人たちは普通にWebを使って会議しているででしょ、難しいなんてのは精神論に過ぎないという向きもあるだろう。だが、こと取材という意味では本当に辛いところが多い。一つは対面してわかる温度感や肌感覚というものが、伝わり(伝え)にくい点が挙げられる。
話の内容は言葉だけはなく、表情、目の動き、手ぶりなどからも含めて伝えていくものだ。電話取材はこれがわからないので、非常にやりづらい。よく週刊誌や新聞の電話取材を受けて「言ったことと違う記事になった」的なトラブルを聞くが、身体から伝わる温度感がわからないから、あさっての方向にブレてしまうのではないと思う。
その空間の情報も活用して話を広げることもできる。雨音がすれば転機を話題にできるし、壁に貼ってあるポスターを話題に取材のネタが広がることも。他の社員の笑い声が聞こえて来れば「元気な人多いですね~」という話題から社風に切り込んでいくこともできるだろう。
ただし、Web会議は動画付き。身体から伝わる情報も入ってくる。だが、残念ながら、人はカメラの前で構えてしまうのだ。無意識の自分の動きを抑制して普段の自分とは違う自分を表現してしまう。それがお互いの認識の齟齬につながる・・のかもしれない。
以前、オフィスに出向いてWeb会議を使った取材をしたときも、相手から伝わる情報、共有できる情報の量の少なさには難儀した。が、オフィスに出かけている分、入ってくる情報がいくつかあったのが幸いした。例えば、エントランスにある商品サンプル、会議室まで案内される道程から伝わってくる社風、案内してくれた社員の話しぶり、窓から見える周囲の景色などを踏まえて、色々と切り込んでいける情報があった。
企業取材を手掛けている身としては、オフィスの空気を肌で感じられるのが、取材上、プラスになっている要素の気がする。この点もいつか掘り下げてみたい。
今回は全員が別の場所に居ながらにしての取材となった。共有できる情報が少ない分、少しでも話を広げようといつも以上のHPや過去記事を読んで準備はした。が、Webカメラを通すとカメラ前の空間しかわからないし、音も本人の声しか聞こえない。頼りとなる情報は相手の言葉と、カメラの前で固くなった表情。どうやって話を広げようと焦ってばかりだった。
幸いにも優秀な方ばかりで、話が端的に伝わってきたのが非常にありがたかったが、企業取材の場合、しゃべるのが苦手という人と出会うケースが多く、その場合は不安が残る。また経営者などのキャリアある人の場合でも、深い話をしたいのに会話内容が表面上で留まってしまうような気もする。
今後、カメラのその先からどうやって情報を引き出すかが課題。そして取材を受ける人も「WEBカメラを通すと、普通よりモノが伝わらない」というのを頭に入れておいてほしいとは思う。新型コロナウイルスの騒動が収まっても、今回を契機にリモートワークが増え、Web会議システム経由の取材は増えていくだろう。今回はネガティブなことばかり頭にこびりついているが、切り替えて前向きに受け入れる方法を探さねば。
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