ちょっとコケたら大腿骨頸部骨折
山寺の1000段の階段を登ってきて、やったやったー!と、意気揚々とnoteに投稿したり。
あの日は、夫のキンちゃんが東京出張で明日までいないから、テツと好きなことしてダラダラしよう! とか浮かれてて。
カフェにテッちゃんと朝ごはんに行って、、、
次は足の爪を切ってもらいに((福祉ネイルという分野があって、自分で爪切りできない障害がある人や高齢の方の爪をお手入れしてくれる))・・・
行くはずでした。
こちらは犬は連れていけないので、一旦テツをうちに連れ帰って、お水・長持ち棒ガム・エアコン、3点お留守番モードにし、鍵をかけて一人で出直しました。
予約は11時。
ネイルのお姉さんはカフェのレンタルスペースでお仕事されているのですが、その入り口にたった2段の段差があって、気持ちゆるゆるで足をかけたら、足が上がってなかったんでしょう、右足を引っ掛けて、なぜか左から派手に転倒。
頭に星が飛んで、目はバッテン、耳からプスーと煙が出たような。
左肘と左股関節を強かに打ちつけて、身動きできず、特に股関節の違和感は、右の大腿骨頚部骨折をした時の感覚に酷似。左の人工肘も強い痛み。
(やばい。どうかどこも折れていませんように・・)
ネイルのお姉さんとカフェのオーナーは大慌てです。
(申し訳ない・・・)
「あぁ〜ダメだ〜動けない感じだから救急車呼んでください」と私。
オーナーが救急車を呼んでくださり、お姉さんが「大丈夫?痛くない?」と声掛けし介抱してくれて、待つこと数分。救急隊到着。
救急のお兄さんたちからいろんな質問を受けて状況説明しつつ、体はタンカのようなものに乗せられるのですが、「動かさないで!!」と金切り声を上げたくなるほど痛い。
(そっとそ〜と・・!)
カフェのオーナーさん、ネイルのお姉さん、コーヒーも飲まず爪切りもせず、4台しかない駐車スペースの1台分を占領したまま、迷惑だけかけて去ってしまったことを許してください、本当にごめんなさい。
救急車は、Aという整形外科病院、次にBという総合病院に断られ「カバンの中拝見しますよ〜」と保険証や診察券など確認していただいき、結果、一度だけ救急搬送されたことのあるC大学病院が受け入れOKとのこと。
(健康保険証とありったけの診察券の束、持ち歩いてて良かった)
(そこ遠いんだよなぁ)と思ったもの、持病や、ステロイド使用歴や、頚椎カチカチ問題(全麻の手術になった場合、口から管を入れる関係で首の変形が問題になることがある)、免疫抑制剤使用中などなど、A整形やB病院では手に負えなかったかもで、よく考えると、多少遠くてもこの大きい病院で良かったのでした。
さて。
救急車は揺れるんです。振動があるたびに、「うぅ」とうめき、「痛いですかー!?」と聞かれる度、「大丈夫です!」とスーハースーハー呼吸を整え、(痛くない!気のせい!)と自分を鼓舞。
「誰か知らせる人は?」みたいな、連絡先を聞かれたりなんだりで、これは万一このまま入院したらテツはどうなる!?と、慌てて近所で自営業しているD姐さんにLINEで電話。時々テツを散歩に連れてってくれる頼れるご近所さんです。
事の顛末を話し、家の鍵の場所を教えてとりあえずはテツを預かってもらえることになりました。
(お仕事中に本当にごめんなさい)
でも翌日までキンちゃんは出張、そこまでD姐さんに甘えられないので、次は東京の妹に電話。
「今日さ、那須こない? 泊まってってくんないかな」
仕事中だったようで、事情を説明すると午後に出て行ける、とのこと。
翌日から連休という日で、しかも予定はなかったらしく、動きやすかったのも幸いしました。
(本当にごめん。高速代とガゾリン代お返しします)
並行してキンちゃんにもメッセージを送り続けていましたが、既読にならないのは多分、混んだ仕事をしているんだろうなと思って電話はせず、連絡を待つことに。
病院について、点滴(病気とかじゃないけどまずライン取るんだね)、心電図、CTやらレントゲンやら。
・・・結果、やはり、思ったとおり「左股関節頸部骨折」しているとのこと。
がっかりです。
痛みがあっても骨に異常はない、ってことも過去には何度かあったので、「なんでもない、帰っていいよ」って言われたらどんなに良かったことか。
すごく痛いけど、ただ痛いだけ。それをどれほど期待していたことか。
とってもがっくり来て、もう、がっかりです、がっかりしか言いようがありません、あ〜、がっかり。
転倒してから5〜6時間経ったでしょうか。
お手洗いのガマンが限界に来ていました。救急の看護師さんに申告すると導尿するって。
あれは入れる時痛いイメージしかないし、モゾモゾするとモゾモゾが増幅して余計にモゾモゾするハメになるので、手術までは絶対ムリですと言い張って、オムツになりました・・・。
トイレ問題もとりあえず解決。
妹から那須に着いてテツ引き取ったとのLINEあり。病棟も準備ができたようで、やっとお迎えが来て病室へ。
病棟の看護師さんから諸々説明。家族は明日まで来られないと言ってあったので、とりあえず2日分、タオルのレンタルセット(コップと歯ブラシ付き!)を契約。なんだかんだの書類にサイン。
服はほぼ脱がされて(新しいパンテエ履いててよかった)、救急で着せられた甚平っぽい患者衣をそのまま、下はオムツ(イケてる)。これで明日までどうにかなります。
さて最後はうちの母ちゃん。
そろそろスマホのバッテリーが切れそうですが、ここを突破しなければ。
「とってもバカなことをしました、ごめんなさい」
まずは最初に謝って
「転んで救急車で運ばれて、今入院しています。とても反省してます不注意でした」
と、すごく反省してることをアピール。
既読ついたけど一向に返信こない。
いつもなら、誰が教えた?そのスタンプ、的な、齢80にして奇抜なスタンプでリアクションしまくるくせに・・・。
あ〜、めっちゃ怒ってるなぁ。。
母は、私が10代で具合を悪くして以来、ずっと二人三脚で闘病してきたような人です。新幹線を乗り継いで行くような病院に入院するたび、何度も通って身の回りのことをやって、手術が長引いた時は最終の新幹線に乗れるかどうかハラハラし、はたまた実家では、就寝前に転んで救急車で病院に付き添った後、一人、真夜中2時にタクシーに乗って持ち金五千円で行けるところまで、と言って家に帰り・・・と、そういうことを繰り返してきました。
だから多分、転んだ、救急だって聞くだけで、頭に血が昇って「あれほど気をつけろと言ってるのに!」って激昂するのだと思います。
特にじいちゃん(父)死んで、自分しかいない!となってからは、自分自身、癌などの闘病を乗り越えながらずっと私を支えてきたので、私がヘマをやらかすととにかく怒る・・・。
ごめんなさい、ずーっと気をつけていたいけど、たまに気が抜けちゃう時があるんだわ、これが・・・。
なんだろうね、守護霊様か自分の緊張感だかわからないけど、守っている何かが一瞬外れちゃうような時があって、その一瞬のスキを狙われたように、本当に何気ない瞬間、何でもないところで大怪我するんです。
ホントにごめんなさい油断しました。あんなちっちゃい段差でコケるなんて・・山寺でも蔵王でもコケなかったのに・・。
返信来ないので「E子(妹)に詳細聞いてください」とLINE。
後で妹から「ばーちゃん(お母さん)めっちゃくちゃ怒ってるけど明日そっち行くって。駅で拾って一緒に病院いくから」とLINE来ました。
それで、着替えやタオルなど、万が一の時に備えて作ってある「入院グッズ」の場所を教え、そのほか飲み水や普段使いの洗面回りの道具など「持ってくるものリスト」を送り、明日母と一緒に来てもらえる段取りができました。
車も取りに行かないといけないので、そのマップをキンちゃんと妹に送付。
スマホの電源を満タンにして家を出てきて良かったです。
痛くて動けないけれど、スマホでなんでもやり取りできるのってすごい。
昔だったら、着の身着のままで一人、家族も知らないような遠方の病院に入院したとしたら、ここまで一気に段取りできたかどうか・・・。
結局その日、母ちゃんからは一言もLINEきませんでした。
「足はどうなるかわからないけど、元気は元気だ」
そうLINEはしておきましたが、かなり気を揉んだことと思います。
(心配かけて本当にごめんなさい・・・)
一方夫のキンちゃんとも連絡取れて、明日は一番で帰るとのこと。出張のためにとっておいた新幹線の指定席はフイになり、連休初日大混雑の中、一本前の新幹線のデッキに車イスのまま乗って、帰ることになったようです。
久しぶりの東京だから、なんか美味しいもの買ってきて、なんて言ってたのに、残念極まる。
(本当にごめんなさい。朝ごはんはクッキー一枚だったとか。すみませんでした)
こんなふうにして方々へ大迷惑をかけた挙句、私の骨折の治療は、ピンで止めるくらいだろうと高を括っていたら、人工股関節置換となりまして、それは、私みたいな持病と障害持ちが歩けるようになるまで、一体どのくらいかかるのかなぁ・・・? と、途方に暮れてため息をついたのです。
以上、1週間以上前の出来事でした。