塩対応だったテッちゃん
入院中はテツのことが心配で気が気でなく、入院早々の日曜に病院までテツを連れてきてもらって、本当は患者さんは病院建物の外に出てはいけないのだけれど、こっそり駐車場まで会いに行ったことがありました。
その時のテツは、私と目を合わそうとせず、お義母さんやキンちゃんの影に隠れてばかりでした。
それからはテツは家でお留守番です。一人残していくのが心配なキンちゃんでしたが、お義母さんが来てくれて、家でテツと留守番してくれたため、テツを残してくることに抵抗感がなくなりました。
退院の少し前に外出許可が出た時は、お義母さんもテツも一緒に来てくれたので、みんなで公園を散歩しました。
この時もなんだかよそよそしかった。
私はみんなのあとを車イスでそろそろ追いかけ、テツはテツでクン活に忙しくこっちを見ない・・・。
退院した日。
家に着くと、キンちゃんは再会で喜ぶテツの様子を動画で撮ろうと忙しく動き回ったのですが・・・。
尻尾が飛んでいかないかくらいぶん回して、飛びついて、家の中を何往復も走り回って、そんなふうなのを期待していたのにそうはなりませんでした。
なんでだ。至って普通。どんだけ爺さんなんだ。
「すぐに帰ってくるからお留守番しててね」
そう言って出て行ったきり、ひと月半も帰ってこなかったので怒っているのかな。
実家の母に育てられていた子供の頃、飛びついて私を転ばせないよう、テツは母から厳しく躾けられました。甘えるのが下手です。前足で飛びつくなんてやったことがありません。
「出てったきり帰って来ない、なんてことにはならないよね」
ここのところ、歯科や内科、リハビリや整形の通院、美容院や何やかや細々と出ていくことが多かったのですが、そのたびに、そう言いたげな不満そうな顔をしてお留守番します。
先日妹が冬物の整理を手伝いに泊まりがけで来てくれたので、ロングドライブに慣れようと、近県の道の駅まで妹の運転でテツを連れてみんなで出かけました。
片道1時間半。
帰ると、私もテツも、ついでにキンちゃんもぐったり。
特にテツは、長いドライブは体にこたえるみたい。
うちは最近、みんなして高齢化が甚だしい・・・。
では、近所の散歩をしっかりやりましょう。
かかりつけのテツのクリニックでは、事情を話したら「ついたらお電話ください、そして車で待っててください」と言われてます。
月曜日と木曜日をテツの点滴の日って決めてます。
「テツですが、着きました」
「はい。順番が来たらお迎えに行きますね」
看護師さんがテツを車まで迎えに来てくれるのです。
できるだけ混んでなさそうな時間帯に連れて行きます。
「こんなでかい犬をお前に世話できるわけがない」
って言われても、強引に連れてきて、もちろん泣きたくなるほど大変だったことはたくさんあったけど、連れてきてよかった。
犬小屋で一人ぼっちで留守番させたり、暑さ寒さ、雪や台風の中、外に繋いでいたりしたくなかった(母は、昔ながらの田舎の飼い方だったから)。
寒いも暑いも寂しいもない。一緒の場所で暮らしたかったんだもの。
でも結局、周囲の健常者にご迷惑おかけしてます、、、ごめんなさい。
朝起きた時、時々息してないように見えちゃって、ギョッとして心臓が縮み上がるけど、「あ、息してる、お腹動いてるわ・・・」ってキンちゃんとほっとして、一番遅くに起きてきたテツを、2人でぎゅうと抱きしめます。
3人家族だぞ。それがなんだか幸せなんだな。
ずっと一緒。
もう入院なんかしませんよ〜。気をつけます!
と言っても、危うく転びそうになったのが2回ほど。ヒヤッとした。入院前より高頻度。
何かする時は座ってやることにしました。
まだ足(というより体幹かな)の踏ん張りがききません。