さとりは【Sato-Rehabilitation】とは『さとりは』では,姿勢や運動を運動/神経生理,発達,神経/生態心理,道具や環境の文化などのあらゆる学問体系から捉え,人間の身体活動を知覚運動系の観点から研究しています. そして,リハビリテーション医療に関する知見をコラムとして発信し,技術研鑽セミナーの場を設けます. 『さとりは』内の役割分担和歌山県在住の作業療法士夫婦 2024年4月1日で臨床20年目 『筆頭著者論文』実績2023 佐藤将人,他:急性期脳卒中片麻痺者の
対象者の方々から,どのような自主訓練がありますか? どのように身体を管理すればいいですか? これらの訴えは普段から治療場面でよく聞かれる内容です. 何をすればいいのか? 発症から数日の方では,もっと動かしたらいいのかと努力される方もいれば, 発症から数年経過した方では,歩くときに麻痺側の足が内側に曲がってくることが増え,歩くにくくなった,歩くときの見た目(歩容)が気になるからと自己身体の変化について話される方もいます. それらの多様な訴えのなかで共通していることは, 自己
リーチングの獲得までの過程はどのように発達していくか. リーチングの発達
先日,臨床場面で遭遇した課題 靴下の着脱 普段,靴下はどのような環境で,どのように姿勢を変えながら,おこなうのか? 靴下の着脱は,伸縮性のある布地を足部に纏い,靴下を履いたあとでもそれが自身に不快な違和感をおこすこともなく,履き続けていられる行為です. いわゆる,自己に取り込まれる行為. 症例さんは,右片麻痺の女性 今回遭遇した問題は, ・足先まで手が届きにくい ・靴下の間口を広げていられない ・靴下が足先に引っかかってもすぐに靴下が足から抜けてしまう ・靴下の向きがず
前回のコラムで紹介させていただいた論文は,ケースレポートを執筆した際に非常に参考にさせていただきました. 今回は,そのケースレポートを紹介させていただきます. 前回のコラム 探索と知覚学習|さとりは(Sato-Rehabilitation) (note.com) この論文では,動眼神経麻痺を呈した症例に対する探索活動と知覚-運動学習に焦点を当てたリハビリテーション治療の仮説を生成しています. ケースレポートのエビデンスレベルは低いとされていますが,現実の臨床場面では対象
天気の良い土曜日 人がいない場所を探し,近場の海で磯遊び エビとカニを捕まえることができ,生き物との触れ合いを楽しみました. 生き物を探すために石を動かし,砂をほってみたり... 娘は生き物を探すという目的のために, 海水と砂,石などとの周囲との関係をとりながら,そのような特定の行為を発見し, おもちゃの熊手などのツールを使用します. そのような行為の背景には,探索的な体験そのものを楽しんでいるということがあるかと思います. 今回は,探索活動について考えさせてくれる論文を紹
家内が首を寝違えた. 「横を見ることができない」し,「当然,後ろを振り返ることができない」から子どもに呼ばれてもとっさに対応できないと辛そうにしていました. 子どもに呼ばれても,頭頚部の回旋反応ではなく,体幹の屈曲によるトータルな動き(胸腰椎移行から回旋をともなう屈曲)で,いわゆるぎこちない動作. とくに左側を振り向く時に,左側の首の付け根が痛いと...(筋膜というより筋自体の影響がでているか?) 首を触らせてもらい治療開始(仰向けの姿勢で)普段から肩こりもあるからか, 後
コロナ禍では人がいないところを探し,近くの海へ子どもとよく出かけました. 和歌山市の雑賀崎は日本のアマルフィと言われており,景観を楽しめる場所です(あいにくの曇り空). ふと,人は自然環境下の制約のもと,生きていく環境を求め集合体として発展してきたことをあらためて感じました. 感情が刺激される綺麗な景色は,報酬にもとづく能動的な探索を導いてくれます. コロナ禍では旅行にも行けないことから,ネットでは映像で旅行気分を味わえるというものまであります. 現地にいるような臨場感を楽
作業療法では絵画,創造的活動をセラピーで応用することがあります. しかし,絵を描くといった創造性が求められるとわたしたちでも最初の一筆がなかなか進まないのも事実です. 子どもの頃はなんでもすぐに筆を走らせ,なんども親に絵を見てもらったことか. そんな創造的活動をセラピーで応用するためには,お絵描きそのものがどのような活動であるのかを知ることが重要です. そのお絵描きに不可欠な課題の質,要素について➤➤➤ 娘とお絵描き娘が3歳の頃,雨の日はよくお絵描きをしました. 子どもは,