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(某ラーメン店の)大将自慢のカレーライス…めちゃくちゃ美味しいよ。一度は絶対食べなきゃ損!!という名のカレー750円

必食という言葉を気軽に使うつもりはありませんが、このところ必食という表現に値する料理にしばしば出会っています。しかしその中でもこの作品ほど必食という言葉が相応しい一杯は珍しいと思います。

これを食べ終えた某なんちゃら坊ノートとかいうサイトの編集長さんは「冷凍にして残っているカレーを全部売って欲しい」とマジでガチでお願いし、店主様に笑顔で断られたそうです。

というわけでこの作品、2000円出してでも食べる価値がある一杯だと思います!!
激ウマです!!
少なくともそこそこカレーライフだった私の人生に、グサリと刺激を与える一杯となった事は間違いありません!!

まずはそーーーっと、舌先でカレーを味わいました。
スパイスの生き生きとした表情がギラリと感じられ、種子の外皮を思わす香ばしき苦味の表情から、それをかみ砕いたかのようなフレッシュな辛味がパチリと広がります。
そのスパイス感を意識的に捉えたいと目を閉じると、口の中というキャンバスに様々なスパイスがあちこちに描かれ、そのカラフルで複雑な色彩を空間的に広げていく様子が映像としてありありと浮かび上がってきました。

舌先に触れただけで、これだけの表現力を示すカレーには、これまで出会ったこともありません。
しっかりとした辛さを感じさせながらも、辛さという単一的な表現とは全くイメージを異とする、色彩満天の超微細点描画を思わす味わいが突きつけられたのです。

そしてそのカレーをぐいと一口頂けば、松阪牛の牛すじ肉の大人び、そして憂いに満ちた官能的旨味がボディーを作り、適度なオイルの艶がうねるコクを生み出すと、牛すじ肉ならではの淫靡さがボトムで色気を誘います。
そしてその旨味がトクンと舌を撫で上げるその美味しさが異常!!
上質な素材を使っていればこその、どこかクリアにも感じられる風味の奥行き感が、濃厚な牛すじ肉の味わいの中に感じられるから堪りません!!

スパイスの表情はこの牛すじ肉の旨味の下側に、黒々とした苦辛い味わいを覚えさせ、牛すじ肉の味わいをさらに引き締めると、後味にずどっと説得力ある味わいを導きます。
スパイスの個性を十二分に生かしながらも、スパイスの高揚感を必要以上に突き上げて感じさせることはありません。
スパイスに彩られた牛すじ肉の深い味わいが、辛さに包まれながらゆったりと舌に染み入っていくのです。

最高に気持ちのいい美味しさです!!!!
こんなカレーライスは、今まで食べたことがありません!!!!

ちなみにこのカレーのレシピを、店主様に聞いてしまいました。
そしてそのレシピが超驚きのシンプルさだったのです。

なんとそのベースは、松阪牛の牛すじ肉と水を1:2・・・ただそれだけ!!
野菜類は一切使わず、松阪牛の牛すじ肉にスパイスを加えただけだとのこと!!!!

もちろんそのスパイスの調合はとびきりの拘りに満ち溢れていることは間違いないのですが、それにしてもこれだけの味わいをこのシンプルなレシピから生み出すセンスに驚かされました。
やはり凄い一杯は凄い料理人から生まれるべくして生まれるものだと思わされました。
この作品は偶然生まれたわけではない、必然の美食であります。

ちなみにこのお店、実はラーメン屋さんであります。
しかし私がこのお店をディープに愛するようになったきっかけは、このお店の店主様が自分用に作ったまかないカレーを食べさせてくださったことにあります。

ちなみにその時のまかないカレーは、インド南西部ゴア地方にある豚肉をスパイスやビネガータマリンド等でマリネしビンダルーで味を調えて調理した酸味と辛みの料理であったのですが、このまかないカレーの本気度はハンパないものでした。

今回はその時のまかないカレーに比べれば素材主義に特化したシンプルなレシピではありますが、逆に言えばスパイス調合の技がよりダイレクトに光る一杯でもありました。

こういう素晴らしい作品を頂くと、料理とはその道での経験年数だけによるのではなく、生まれ持った才能によって大きく導かれていく世界であると認識させられますね。

もう一度言いますが、このカレーはあくまでラーメン屋さんのサイドメニューです。
しかしカレー専門店にも負けない、いやむしろ本業ではないからこそ大量生産する必要がなく、拘りを注ぎ込められたからこそ成立する美食でありました!!

最高でした!!
こういう料理に出会えるから、食べ歩きはやめられないのです!!



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