宇宙一美味しい塩豚骨チャーシュー麺
<レシピ完全公開>
【スープ】豚ガラ、豚ゲンコツ、豚骨ガラ、根深ネギ、ニンニク、古根生姜、自家製燻製塩、オールスパイス
【バラチャーシュー】豚バラ、醤油、みりん、サクラ燻製チップ、グラニュー糖
【豚トロ角煮風】豚トロ、醤油、みりん、砂糖、古根生姜、根深ネギ、五香粉
【豚ヒレ コンフィ仕立て】豚ヒレ、ラード、砂糖、クレイジーソルト(ハーブソルト)
【豚のパテ・ド・カンパーニュ】豚角煮、玉ねぎ、ニンニク、タイム、オレガノ、コショウ、塩、砂糖、ウイスキー、白ワイン
【トッピング】九条ネギ、根深ネギ、ピンクペッパー
これぞ名品という豚骨ラーメンを頂きました。
まずはこのスープが絶品なんです!!!!
スープは豚ガラ、豚ゲンコツ、豚背ガラを用いた極めて滑らかな豚骨スープであります。
オイルに頼ることなく、スープの舌触りの魅力を直接的に楽しませようとするこの作品は、味わいに厚みを感じさせながらも油脂感による重さやべた付きを覚えさせません。
温かみを感じさせ、同時に艶と潤いを覚えさせるその心地よい質感は、まさに『赤ちゃんの肌触りテイスト』とも例えるべき質感であり、これほど愛くるしいスープは他にはないと思えるものでありました。
ここで他店に訪問しにくくなることを恐れずにぶっちゃけちゃいますね!!!!
この作品、私にとって人生No.1の塩豚骨スープでした!!!!
豚骨スープのその滑らかなる味わい、舌触りに、ほのかに豚の香りが感じられます。
そして適度に鼻をくすぐる、熟した果実の様な柔らかさと軽やかさをもつ豚の香りが、蓮華を口に含む直前の一瞬に、スープへの意識をぐいと高めます。
その香りが、口当たりのスープに香味と風味のマリアージュを引き出し、広がりある表情を導けば、中盤以降には香りがすーーっと口の中に溶け込んでいき、スープの味わいだけがじんわりと浮き上がって感じられます。
―― ヤバい、超美味い!!!!!!!!
後味の塩の表情も完璧でした。
さらに私好みという視点で語らせて貰うならば、完璧すぎる程に完璧で、思わず身悶えてしまいそうなほど(実際には、店内で身悶えたりはしませんけどね)!!
明瞭なしょっぱさで塩の存在を覚えさせるのではなく、塩の個性を介した豚の風味が、輪郭をキリリと輝かしては舌先にじんわりと囁いてくるイメージなのであります。
スープの自家製燻製塩の大人びた落ち着き、そしてトッピングに使用されているハーブソルトやピンクペッパー、そしてオールスパイスの香り高い表情が、テーマとなる豚の味わいに艶を引き出していきます。
そして舌にその味わいが染み入るたびに、味わいの表情が広がりをみせるのです。
舌に染み入れば染み入るほど余韻の広がりを感じさせるようなその演出・・・、まさに初めての体験であり、同時にこれこそ感動的と言える瞬間でありました。
麺は細麺が使用されており、この麺も秀逸でした。粉っぽさを感じさせることなく、むちっとしながらメリハリある食感を楽しませます。
さらには麺をすするたびにそのスタイリッシュな舌触りが高い洗練性を印象付けます。
喉越しも素晴らしく、小麦の味わいも良質、その上スープとの調和も完璧なのです。
そしていよいよこの作品の醍醐味、四の製法による四種のチャーシューを頂きます。
定番のバラチャーシューは、豚ばら肉ならではの濃厚な旨味と舌触りの官能性が素晴らしく、何よりもこのお店ならではのサクラ燻製チップによる大人びながらも華やぎのある香りが堪りません。
様々なチャーシューと共に並べられたことで、改めてその個性が際立ち、その美味しさに改めて感激させられました。
そして高級なものを頂いていることを確信させる説得力と貫録のクオリティーが、見事にスープへと調和していました。
続いて豚トロ角煮風です。
ぐんっとした心地よい食感のそれは、噛んだ分だけ味わいが舌に押し込まれる印象で、角煮風ならではの重厚感ある甘旨味が誰もを喜ばす美味しさを表現しています
さらには豚ヒレのコンフィ仕立てが実に美味。
その柔らかな食感、さらにはキメの細かいその肌質があまりみ素晴らしく、さらには後味でほんのりと香り立つハーブソルトの演出が強烈な美しさを覚えさせます。
上品かつエレガント・・・、この店らしい西洋の風をも感じさせる上質さが表現されています。
最後に最も斬新さを覚えさせる豚のパテ・ド・カンパーニュであります。
挽肉と玉葱のシンプルな素材感が素朴で上品ながらも逞しく、その得も言われぬ美味しさが豚骨スープの柔らかさに酔っていた舌をポンと打ちます!!
ほのかなハーブの香り、ウイスキーや白ワインを用いたという気高い香味が、優れたジビエ料理を頂いているかのように野性味にも通じる逞しさと滑らかさすら感じさせる上質な仕立てとの共鳴を導きます。
さらにはその香味が、余韻の豚の味わいに締まりを与え、気品ある質感を伸びやかに主張するのです。
―― というわけでこの作品、めちゃくちゃ感動してしまいました!!!!
これだけ素晴らしいと、これ以上に美味しい塩豚骨チャーシュー麺には、もう二度と出会えないと思えます。
完璧に整った麺、そしてこれ以上ないほどに素晴らしい豚骨スープとその表現技法、さらには完璧に美味しく仕立てられたチャーシューが4種も存在し、その一枚一枚を頂くことにより、美食への感動が加速的に積み上がっていきます。
スープと麺、トッピングの調和にも一分の隙もなく、もし私がこの作品を減点法において審査するならば、減点要素は何ら見つからず、さらには加点法で審査するのであれば、全ての要素に加点を施すこと間違いありません。
その感動の連鎖は、感動の持続を生み出し、食べ終えた時には「感動した」というよりもむしろ「感動に酔えた」という感想を抱かせます。
現時点で私が考える、宇宙一美味しい塩豚骨チャーシュー麺であります。
感動できる食事です。
『私はこういうラーメンに出会うために、ラーメンを食べ歩いているんだなぁ』と、つくづく思わされる一杯でした。
ちなみにこちら、醤油バージョンも存在します。
たった2gの醤油により、店主様自らが「スープが化けました 醤油ってすごい」と語っております。
そちらが、この写真。
これまたやっぱり美味しかったんですね~!!
2gの醤油を加えたというこの一杯は、豚を主題とするラーメンらしい力強さのある一杯に仕上がっていました。
スープも油脂感がはっきりし、より圧力感のあるこれぞ豚骨という味わいに、塩バージョンよりも男性的な表情を覚えますね。
器用さに加え、鈍器をガツーンを振り下ろすような逞しいも身に纏ったその味わいは、同時に存在するスープの滑らかさとキメの細かさと共に、作り手の才能を示すと同時に、その味わいでより多くの方に支持されるものと思えました。
いずれにしてもこの作品、作り手の経験値と技巧が生かされた、作家性と技巧美、芸術性を味わえる一杯でありました。
美味しいを超える美味しさ・・・、この日もまた、最高のラーメンに出会うことができました、万歳!!!!