ラーメンシューなる未来の美食
ラーメンシュー(正式名は不明。ロッテリアさんも提供していたラーメンバーガーのシュー生地バージョンだと思うのでこう呼んでみた)を頂きました。
わかりやすく言うと、シュークリームのクリームの代わりにラーメンの麺やチャーシュー、タレが入っているわけです。
因みにこれ、私にとっては憧れの流れを汲む方による作品であり、しかも中に入った麺や具材、タレなどは私の地元では知らない人がいない美食系ラーメン店の店主様に専用オーダーしたものらしいのです。
ぶっちゃけ世界中探しても、この一流店主様にこの無茶オーダーをしてなお了承得られるのは、現役トップアイドルを除いては他にはいないんじゃないと思います。
そのくらい貴重なスーパーコラボ!!
もちろん非売品であり、単発的な作品?のつもりで参加されたのだとは思いますが、上記の店主様がツイッターで自身の担当パートに対する反省点を記していたりもしまして・・・
ちょっと、ちょっと!!!!
トッププロが本気参戦しちゃったこの作品の超プレミアム感、パないんですが!!!!
逆に言えば、このラーメンシューのメインシェフ様が相当なる腕前(←実は噂では聞いていた)という証明でもあり、これはもう頂く前からドキがむねむね、期待度120%であったのです。
そんなゴイスーな価値のある作品であり、通常私なんぞが頂くことは考えられない作品でもあるのですが、今回は何故か私に奇跡的なご縁が舞い込み、ちゃっかり便乗して頂くことができのです。
はい、ここは自慢ですよ!!!!
テストに出るので、三回以上読むように!!!!
で、その内容が驚くほどに凄い!!
その場でただ美味しいものを作ろうとしただけでなく、作ってから提供されるまでの時間も考慮された、この一瞬にかけた専用アレンジが成されていたのです!!
しかもこの手の作品というと、「欠点はいくらかあれど、美味しいのだからそれが正義」的なものが多いのですが、このラーメンシューときたらまさかの無駄のない美味しさだったのです。
で、その凄さ・・・。
まず驚いたのが、シューの質感です。
ラーメンをシューで挟むというアレンジながら、時間が経ってもシューがへなっていないのです。
何故でしょう?
何かしらシークレットがあるのだと思いますが、全然わかりません。
そしてこのシューの間に麺が入っているのですが、この麺もコシを残しつつ、潤い感もあり、作り立ての麺と遜色ない美味しさなのです。
こんなこと、本来あり得ないと思うのですが・・・。
理由を考えれば、まぜそば的に香味油あるいはタレが麺にコーティングされているからだとは思うのです。
しかし噛んだ分だけ反発するような生命感ある麺のコシが感じられ、柔らかな小麦の味わいも伝わってくるから驚きです。
てっきりシューのクラスト部分が成すドライな表情との対比でや反動で、麺に艶や潤いが感じられるのだろうなとも思ったのですが、改めて麺だけを全力で味わってみてもなお相変わらずの美味しさ・・・
麺自体の美味しさもあると思うのですが、ラーメン担当の方(ラーメンファンであればあるほど、この表現が許されないくらいの一流店主様なのです)が、この作品の提供される状況などを正確に理解した上で、専用のアレンジを施したとしか思えません。
チャーシューには大人びた香味が添えられ、シューの香ばしさに華やかな色気を添えていきます。
そこに絡めたタレは麺とチャーシューの一体感を深めつつ、一口で旨味をズバッと伝える力に長けています。
ガーリックマヨを重ねられた白髪ネギは、この作品にシャキッとした食感とフレッシュな香りを演出し、完成からある程度の時間が経過しているという事実を感じさせません。
ガーリックの香味にチーズの表情も心地よく映え、そこに生まれる男性的な色気が心をつかみます。
さらにはチャーシューと麺に添えられたタレの味わいにコントラストが生まれ、これが作品のシルエット同様、愛くるしくも立体的な味わいを表現するのです。
そして何より素晴らしいのが、シューの味わいと食感が、ここに驚くほどマッチしていたことです。
個人的にはラーメンだったらバンズ、あるいはちょっとおしゃれにバケットでサンドした方が美味しいのではないかと予想しながらの一口目だったのですが、あれれれ~、シューサンドで大正解でした!!(≧▽≦)
今回、シューであるべき最大の理由は、シューと麺の共鳴であったと思います。
平打ち麺にシューのクラストの表情が重ねられ、ラーメン用の麺としては味わったことのない程の香り豊かな小麦の野性味が演出されます。
するとそこに、全粒粉入りの麺の表情を強調したかのような味わいが演出されます。
小麦の枯れ感が麺にずいと重なり、麺の表情がさらなる力強さを増していくのです。
そして麺とシューの味わいに、玉子の香り高さが柔らかな調和を生み出し、後味に向けて相反する個性がしなやかに馴染んでいきます。
シューの美味しさ、麺の美味しさに、心が捉えられます。
そんじょそこらのラーメンでは成しえないと思える程に、麺の味わいに対し、多様な色気が添えられていくのです。
分厚いチャーシューや麺に感じられるタレの旨さも秀逸です!!
このタレがシューのドライな質感との対称をなし、潤いや照り感を強調します。
そしてこの作品を噛んだ時のファーストタッチが、シューのクラストが演じる小麦のドライな味わいや香ばしさであるとするならば、そこから後味に向けて加速的に高まっていくむちむちっとした弾力ある肉感や艶々とした味わいもまた実に素晴らしいのです。
またシュー自体にもスパイスなどのアレンジが成されているため、香味のエッジや味わいにコクが感じられ、具材のボリューム感にも心地よく馴染むのです。
素晴らしいですね。
最初から最後まで展開に長ける美味しさながらも一切の無駄がないのです。
シュー生地の小麦の美味しさを殺すことなく、そこにアレンジを加え、なおかつ具材のしっかりとした味わいを伝えるこのバランス・・・、マジでガチで完成度高すぎです!!!!
加えて特筆すべきは、このジェットコースターのような質感の変化が、散漫さを感じさせるどころか、むしろ流れるように展開していくその美しさ!!
しかもこの美しさが一口一口の全てに感じられるため、その喜びの積み上げによって構築される感動の高さが堪らないのです!!
一応、元スイーツブロガーだったりする私は「友達のいない一人マニアにとって(今はいるよ、多分)、スイーツ食べ歩きとは永遠に訪れることのない完全無欠な作品探しの遊びである」などと思っていたりもしたのですが、思いもよらぬところで欠点のない作品に出会うとは・・・、ぶっちゃけ、半泣きで笑ってもいいでしょうかという気分です。
数多くのシュークリームを頂いてきましたが、このシューラーメンには完全に「あるべき一ジャンル」と確信させる説得力がありました。
確かにシュー作品としては、異端児でありますが、一方ではシュークリームのシューの本来の意味を考えると、これこそ王道の作品と言えるのかもしれません。
「シュー」とはフランス語でキャベツなどを意味する言葉です。
キャベツを模しているからこそ「シュー」なのであります。
するとキャベツとクリームという意味のシュークリームよりも、キャベツをトッピングしたラーメンであるラーメンシューの方が、100万倍しっくりくるわけです。
食べ終えて、シューラーメンってシュークリームと同じくらい「あるべき料理」なんじゃないかとすら思えました。
とはいえ、このラーメンシュー、どう考えてもシュー生地の巧みさとラーメン(実質まぜそばかな?)の巧みさがあってこその作品です。
ちょっとやそっとじゃこの作品と並ぶクオリティーのものが生まれてくることは考えられません。
しかしそれでもなお、この時まさに新たなる美食ジャンルが誕生し、その瞬間に立ち会えたことへの喜びに感極まってしまったのです。
最高です!!
新しき美食体験に、心から感謝です!!!!