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病室という社交場日記(田舎篇④)

今週末の退院が決まった。
70代Yさんは来週半ばで決まりそうだ。

今の4人部屋になって約20日。
この数日、もともといた3人に、妙な家族感が生まれ始めた。
ムードメーカーのYさんがお母さんで、バラバラの90歳Sさんがおばあちゃん。そして私が娘なのかYさんの妹か。
2人して、Sさんに“できることは自分でやらせる”ためのお節介が加速している。

前回も書いたが、がりがりに痩せて上半身胴体いっぱいにコルセットをしているSさんは、つい、手をかけたくなる様子をしている。
ここの看護師さんたちは、人手不足のためかいつも急いでいて、
「時間をかけてやらせるより、やってあげたほうが良い」方針になってしまっている。きっと不本意。
が、Sさんはやればできることも数々。薬だって、ゆっくり時間をかければ自分で開けて飲むことができるし、入れ歯だって洗ってポリデントに浸せる。

そこで束の間家族は、“自分たちがいる間に少しでも自立させねば”と、やっきになっているのだ。
(でも完全に自立は無理だ。自分たちがいなくなったら、だれがこの病院で面倒をみるのか。逆にかわいそうなことをしているのではないか)そんな葛藤もありながら。

※今日のお昼ご飯は、ミートソーススパゲティ@丼ぶり入り

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