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019: ナショナルエコノミー メセナ
浜松ボードゲーム会で1人遅れてくるため、時間合わせに軽く3人プレイで遊ばせていただいた。2017年のゲームマーケットで頒布された作品らしく、私は名前しか知らないゲームだったが非常に面白かった。
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ゲーム概要
成功とは何でしょうか?立派な企業家になるには富を集めるだけでは不十分です。富を使って才能ある人々を支援し、価値ある物を守り、文化と学問の守護者になりましょう!ただし栄光は一日にして成らず、勝利を掴むには十分な計画性と未来への展望が必要です。果たして国民経済史にあなたの名を刻み、不朽の名声を手にすることができるでしょうか?
ナショナルエコノミーシリーズ第2弾。マクロ経済をテーマとした1〜4人用ワーカープレイスメント。労働者(初期2人、最大5人)を使って手札から建物を建て、9ラウンド終了後に資産価値の最も多いプレイヤーの勝利となる。
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アクションスペースがゲーム展開で変わってくる変態ワカプレ!
ゲームの構造はかなりシンプルで、場にある建物カードに労働者を派遣してアクションを行うワーカープレイスメントとなっている。初期建物は人数により変わるが、3人プレイでは5箇所。
鉱山:カード1枚ドロー
採石場:カード1枚ドロー + スタPマーカー取得
学校:ワーカーを1人増やす
大工×2:建物を建てる
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基本システムはアグリコラに色濃く影響を受けていると思われ、1ラウンド終了毎に新しいアクションスペースが現れる。面白いのは、これらの基本建物以外に各プレイヤーが建築して売却した建物も使用可能になるということだ。
これらの建物は基本建物よりも強力な効果を持っているため、先手番を取ることにより非常に有利になったり、または特殊なコンボが現れたりする。この各プレイヤーの動向で、ゲーム展開が加速したり鈍化したりする流動性がとても面白いと感じた。
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経済を回しゲームを展開させる「売却」
このゲームの最も特徴的で面白い要素は建物の売却だ。手番では手札の建物カードは左上のコスト分だけカードを捨てることで「建設」することができる。建てられた建物は自分の場に公開し、自分だけのアクションスペースになると同時に資産価値として最終得点計算時に加算される。
では、どんどんと建物を建てれば良いかというとそんな簡単な仕組みではなく、ラウンドの終了時に労働者へ賃金を支払う必要があるのだが、このゲームは基本的に収入フェイズはない。お金をもらえるアクションを実行して稼ぐしかないのだが、他のプレイヤーにアクションを取られてしまうとお金を儲ける方法がない。
その場合、仕方がないので建設している建物を公共の場へ売却することになる。それによりカード下段中央に示された資産価値分のお金をサプライからもらうことができて、賃金を払うことができる。
もうこれが苦しくて苦しくて面白いw
せっかく建てた建物を売却して労働者を雇うしかないのだ。しかもワーカープレイスメントなので労働者はどんどん増やしていかないと他プレイヤーに遅れをとってしまう。建設と売却を繰り返すことで労働者を維持しなければならず、この自転車操業感が新鮮で楽しかった。
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苦しい中で見出す勝利点
そんな苦しい序盤を過ごしていると、色々な建物カードが現れる。今回、私が注目したのは植物園だ。売却不可の建物なのだが、場のアクションでお金を稼ぐことができるようになってきたので思い切って建ててみた。
植物園はそれだけで資産価値22点なのだが、右下にスコップアイコンのあるカードを3枚プレイすることで+22点を獲得して44点となる。これに賭けることにした。
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ということで、大植物園作戦の開始だ。
まずはコスト1で建てやすい芋畑を増やしていく。芋畑の効果として、建物カードではないが建築材料となる「消費財」をドローできる。手札をできるだけ無くしてからアクションすることで補充していくのだ。
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労働者はどんどんと増やしていく。
単純にアクション数が増えるので嬉しいのだが、実はラウンドが進むにつれて支払う賃金が高騰していき、最終的には1労働者に対して5ドル支払う必要がある。これがとても辛い・・・。
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最終的に芋畑×2、菜園を建設して大植物園が完成!
合計得点は、76点。
トッププレイヤーは100点以上獲得していたので、全く歯が立たなかったが満足。
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感想
今回の満足度:8点(10点満点)
これは面白かった。
あとで知ったのだが、ナショナルエコノミーシリーズは第3弾まで頒布されたのだが非常に人気があり、今ではプレミア価格になっているようだ。その人気も納得がいくほど楽しむことができた。
建物を建設しても賃金の支払いのために泣く泣く売却するしかない自転車操業が苦しいのだが、逆に他プレイヤーが手放した建物のアクションを利用できるようになるため、旨みもある。何となく経済が回っているように感じるプレイ感が面白かった。
またサプライ(外貨)と家計という金銭の概念が面白く、スーパーマーケット(3枚捨てて18ドル獲得)や百貨店(4枚捨てて24ドル獲得)などのカードが場に現れると、途端に家計の残り金額が気になりだし他プレイヤーの顔色を伺いながら虎視眈々とお金獲得を狙うのが楽しかった。
残念なのは、同人ゲームのため現在入手難となってしまっていることと、コンポーネントがカードだけで寂しいところだ。アートワークとコンポーネントを豪華にした製品版をどこか出してくれないだろうか。
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