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076: マラカイボの海賊たち

以前、重量級ゲームのキツい洗礼を受けた作品「マラカイボ」を遊びやすくリメイクした「マラカイボの海賊たち」。どのような変化がもたらされたかレビューしたい。

ちなみに、どんな洗礼を受けたか知りたい方はこちらをどうぞ。今見ると、どうして分からなかったのか自分でも分からないぐらい当たり前のことを悩んでいて、ちょっと恥ずかしいですがw


ゲーム概要

17世紀末のカリブ海、プレイヤーは海賊となり富と冒険の人生を謳歌する。限られた時間を最大限に活用しながら金銀財宝を集め莫大な財宝を埋めて隠し、歴史上で最も伝説的な海賊の船長として名を残すのだ!

遊ぶたびに変わるマップが魅力!

アレクサンダー・フィスター(Alexander Phister)が2019年に発表した「マラカイボ」をベースとしている本作なのだが、まず大きく変わったのはマップだろう。「マラカイボ」では広いメインボードに美しいカリブ海が描かれていたのだが、今回はカードをランダムに配置することで可変的なマップを生成できるようになっている。

カード2枚分に相当する宝島タイルが3枚あり、これらを基本配置として場所カード、向上カード、邸宅カードをランダムに配置してマップを作る。こうすることで毎回違ったルートを構築しながら遊ぶことができ、リプレイ性を担保している。

「マラカイボ」は、シナリオを付属してマップに変化を付けていたのだが、本作ではマップそのものを変える試みをしてきたところが面白い。

セットアップはとても簡単になった

「マラカイボ」は準備が大変だった。メインボード上にイギリスフランススペインの所有権マーカーを並べるのがとにかく大変で、それに加え個人ボード上にディスクを置く必要があり、そのディスクを外すことで能力解放していくのが特徴だった。

今回はその辺りのセットアップは非常に楽になっており、財宝マーカーはすぐに並べられるし、個人ボードの能力は解放する時にマーカーを置くように変わった。こうすればゲーム中にどんどんマーカーを置いていくだけで良いので簡単だ。

全体的に非常に遊びやすく配慮して作られているように感じた。

基本的なシステムはマラカイボ!

船コマを1〜3マスで好きに移動して移動先のアクションを行う、というマラカイボらしいシステムはそのまま。アイコンも同じなので、マラカイボを遊んだことがあるプレイヤーはすんなりプレイすることができるだろう。私も流石に今回はインストを聞いてスッとシステムを理解することができた。

左側の出発ゾーンから進めて順番に手番を行い、誰かがマラカイボに到着したら1周終わり。また全員が出発ゾーンに戻り、2周目を開始する。3周回るとゲーム終了で、得点計算を行い、最も得点の多いプレイヤーの勝利となる。マラカイボとそっくり。

カードは3種類で内容は多彩

プレイヤーは移動を終えたスペースでアクションを行う。5ダブロンを獲得するか、カードを獲得するか、場所アクションを行う。マップ上に配置されるカードは、向上カード邸宅カード場所カードの3種類。多彩なカードがゲーム毎にランダムに配置されるため、色々な戦略を立てられることが本作の魅力の一つだろう。

<向上カード>

ルールブックより引用

左上のコストを支払い、カードを獲得する。カードは手元で公開しておき、ゲーム終了まで持続的に効果を発動させておくことができる。最初はアイコンが分かりにくいと思うが、マラカイボと共通なのでプレイ済みなら困ることはないだろう。

<邸宅カード>

ルールブックより引用

左上のコストを支払うことで建設することができる。主にゲーム終了時の得点に関するものなので、個人目標となる。ゲームの展開を見ながら、自分の戦略に合った邸宅を選べると高得点が期待できる。

<場所カード>

ルールブックより引用

宝の価値が変わり、場所アクションを実行することができる。宝物を奪う襲撃、探検、クエストの獲得、船の改良など多彩なアクションを行うことができる。


宝物の強奪が海賊の醍醐味!

カリブ海の宝島にはエメラルド真珠という3種類の宝物がある。場所アクションで襲撃を行うとダイスを振り、宝物を強奪することができる。また財宝を埋めるアクションがあり、自分の島に埋めて隠すことでボーナスがもらえる!なんとも海賊っぽくて面白い♪

また3種類の宝島には、マーカーを置くことでそれぞれの宝物の価値が上がり、ゲーム終了時の得点に大きく関わってくる。どの宝物を集めて価値を上げるかが勝敗を分ける決め手となるため、その駆け引きが非常に楽しい。


今回の満足度:8点(10点満点)

とても遊びやすくて面白かった。
マラカイボの大きな美しいメインボードがなくなったのは少々残念だが、カードをランダムで配置することで毎回違ったルート、戦略を考える楽しさがある。また前作では曖昧にされていた海賊テーマが堂々とタイトルにまで現れており、宝物の収集という目的と合致してやることが分かりやすくなっていると感じた。

またマラカイボはプレイ時間の割にカード運の強い印象があったが、今作はマップ上に配置されるため、自分でカードを選択して取りに行けるようになったのは嬉しい。そして3種類の宝物のうち、どの宝を集めて価値を上げるのか、という駆け引きが非常に面白く、そのためのルート構築も悩ましくて面白い。

それでいてプレイ時間は3人プレイで50分という驚異的な早さだったので驚いた。3人ともマラカイボをプレイ済みで慣れていたこともあると思うが、それでもかなり早く終了しており収束性の良さを感じることができた。

リプレイ性も高く、プレイ時間を考慮すると色んなゲーム会で出しやすい。美しいメインボードがないのが残念だが、マラカイボが好き方にはおすすめしたい。

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Sato39
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