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072: フォレスト・シャッフル 〜負けヒロインが多すぎる!〜

今年のドイツゲーム賞第1位の「フォレスト・シャッフル」を、ボドゲカフェDEJANAで遊ばせていただいた。期せずして聖地巡礼となったので、そのレポートもしておこう。


10月某日、いつものようにボドゲカフェDEJANAへ向かうと、すっかりハロウィン仕様になっていて秋を感じさせてくれた。

そしてとても気さくな店長さん夫妻といつものように話をしていると、あるものが目に飛び込んできた。

負けヒロインが多すぎる!」の原作者、雨森たきび先生のサイン色紙だ!

どうやら数日前に雨森たきび先生が、ひょっこりDEJANAを訪問されたらしい。なんでも登場人物の志喜屋さん行きつけのボドゲカフェのモデルがDEJANAなんだとか。労せずして聖地巡礼となったw

「負けヒロインが多すぎる!」は、今年の夏にアニメ放映され話題となっている豊橋を舞台とした学園コメディで、第15回 小学館ライトノベル大賞《ガガガ賞》の受賞作である。

ガガガ文庫より引用

豊橋が舞台とあって、物語の随所に豊橋の地名や建物が出てくるので私も毎週楽しみにアニメを見させていただいた。恋に敗れた負けヒロインたちが元気よく学園生活を過ごす姿は非常に清々しいの一言で、最終話まで夢中になること請け合いだ。

豊橋市も大々的にコラボして応援しているので、街中を歩いていても非常に面白く楽しい。最近、豊橋市はモンハン20周年ともコラボするなど元気があってよろしい。いいぞ、もっとやれw

そしてこの話とは全く無関係だが、最近ドイツゲーム賞で第1位となった「フォレスト・シャッフル」を遊ばせていただいたのでその感想を述べたい。



ゲーム概要

プレイヤーは森に木を植え、様々な動物や植物のための生態系を作っていく。木の上を好む生物もいるし、濃い下生えの中に住むものもおり、バランスの良い生態系を作り上げることが重要となる。冬が3回訪れるとゲーム終了で、最も勝利点を獲得したプレイヤーの勝利となる。

プレイ感は非常に軽い

各プレイヤーに手札6枚を配ったらゲーム開始。手番での選択肢は2つだけ。

①山札またはカード置き場からカードを2枚引く。
②手札からカードを1枚プレイする。

たったこれだけである。手札制限は10枚までで、カードプレイのコストはカード左上に記載されている枚数だけ手札カードを場に捨てる。これを順番にプレイしていくだけである。

山札からカードを引いた時に「冬カード」を引く場合があるが、その時は冬カードを横によけて引き直す。3枚目の冬カードを誰かが引いたら、その場でゲーム終了となり、最も勝利点の多いプレイヤーの勝利となる。

様々な生物の住む森を作るセットコレクション

カードには森の基本となる「」や、樹の上下左右に住む「生物(動物、鳥、昆虫、草、茸)」など、様々な種類がある。生物カードは上下や左右に分割されており、どちらかしかプレイできないため、自分の作り上げたい森をイメージすることが大切だ。

そしてそれぞれの生物には勝利点となる方法が記されている。ドングリマークが勝利点で、基本的には同じ種類の生物を集めていくセットコレクションとなっており、それほど難しいことはないだろう。

得点のバリエーションは多く、コンボや戦略は奥深そう

ルールはシンプルなセットコレクションなのだが、そのバリエーションは多岐に及んでいるらしく、初プレイではなかなか高得点は難しかったがその片鱗を感じることはできた。

私は手札にノロジカがいて、カード置き場にオオヤマネコが置かれたので鹿を集めていくプレイとしたのだが、カード同士のシナジーが面白く、色んな鹿を集めることで得点することができた。

この他にも「樹」を全種類揃えたり、洞窟にカードを蓄えていくプレイなど、幅広いプレイングを許容しており戦略性が高いように思えた。戦略を突き詰めることを好む方は非常に楽しめるのではないだろうか。

爽快感はなくストイックなゲーム性

シンプルなゲーム性ゆえに拡大再生産のような爽快感はない。ただただ手札にきた樹や動物のカードを自分の目指す生態系に合うように取捨選択し、高得点を取れるように調整していく、ある意味ストイックなゲームだと感じた。

SNSで誰かが「麻雀みたいなゲーム」と表現していたが、上手く言い得ているように感じる。そう麻雀のように狙いのカードをツモるか、誰かの捨て牌を拾うことで樹を中心としたセットを淡々と作り上げていき、自分の思い描く役を実現するゲームなのだ。まさに麻雀である。

そういうゲームが好きなプレイヤーには、非常に中毒性のある面白さを感じるのかもしれない。


今回の満足度:7点(10点満点)

非常に完成度の高いゲームだと感じる。シンプルなルールで遊びやすく、手札の配牌や他プレイヤーが捨てたカードを拾うことで作り上げていくセットコレクションは徐々に完成する楽しみもある。

ただ私には今ひとつ刺さるものがない感じだった。自然テーマもあまり興味はないし、淡々としたプレイ感も特に気持ちが高揚するものはなかった。それは私がゲームの勝敗にあまり興味がなく、ゲーム中の体験を重視する傾向があるからなのかもしれない。

でもきっと刺さる人にとっては面白いゲームなんだ。
だって今年のドイツゲーム賞第1位なんだから!


「そういうとこだよ、温水くん。」

©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

頭の中で八奈見さんの言葉がリフレインする・・・


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