ダイナスティ Dynasties: Heirate & Herrsche
「癖のある重ゲー会」でリバイブの次にKazuさんが出してくれたのがこれ!
ダイナスティ!
全く名前も聞いたことのない作品だったが、小クラマーことマティアス・クラマーが2016年に発表した政略結婚をテーマとした作品。
マティアス・クラマーといえば、最近では超重量級ボドゲ「ワイマール:民主主義の戦い」をホビージャパンが日本語版で出版すると発表して話題になったばかり。また「ロココの仕立て屋」もデザインしており、私も大好きな作品だ。
で、「ダイナスティ」だ。
もうパッケージイラストから超好み♪
さっきまでリバイブの殺伐としたアートワークに曝されていたせいか、この素敵なアートワークに一気にテンション爆上がりしているのを感じたw
やっぱり、こういう華やかなのが好きだな〜!
ゲーム概要
ゲームは3ラウンドで構成されており、ゲーム終了時に最も勝利点の多いプレイヤーの勝利となる。
各ラウンドでは、手番プレイヤーは手札を1枚使用してアクションを行なっていく。行えるアクションは5つ。
①侯爵/侯爵夫人の配置
②貿易
③人物タイルの使用
④特別アクション
⑤パスまたは離脱
全てのプレイヤーが離脱したら、ラウンド終了。
3ラウンド終了すると最終得点計算を行い、最も勝利点の多いプレイヤーの勝利。
手番では手札を1枚だしてアクションする
手札カードの上部には実行可能なアクションのアイコンが示されており、これらのうち1枚をプレイして1つだけアクションを行う。もしくはカード下部に描かれた特殊アクションを行うことも出来る。
手札のカードはラウンド毎に4枚補充されるため、毎ラウンド使用できるカードは4~6枚程度になる。ラウンド毎の計画性が求められる。
政略結婚で争うエリアマジョリティが楽しい♪
メインボード左側は中世ヨーロッパの地図となっており、4つの国に色分けされている。侯爵・侯爵夫人の配置アクションを行うと各都市にファミリー駒を置くことができ、ラウンド終了時にその数に応じた得点を獲得できる。
面白いのはラウンド毎に得点の方法が違うことで、
1ラウンド目終了時は、独身の侯爵・侯爵夫人にのみ得点が与えられる。
2ラウンド目終了時も、独身の侯爵・侯爵夫人にのみ得点が与えられるが、独身者は全て修道院へ送られてしまう。
3ラウンド目終了時は、各国の駒数によるマジョリティで得点が与えられる。
つまり最終的にはエリアマジョリティによる得点計算が行われるのだが、結婚した際に、持参金ダイスの目によって子供が生まれることもある。この子供もコマの1つとして数えられるため、子供も産みたい。
報酬はいつもケーキカット!
結婚した際や、貿易船に相乗りした時には資源が得られるのだが、このゲームではいつも片方が報酬を2つのグループに分けて、もう一方がどちらかを選ぶケーキカットの手法が取られている。
これは名作「サンマルコ」などで見られる報酬分配方法の一つだが、これが絶妙に面白い。結婚や船の相乗りといった一種の協力関係が作られると同時にそこには報酬を巡る水面下の駆け引きが生まれるのである。
総評
今回の満足度:9点(10点満点)
これは非常に気に入った。
配られたカードを使用してのアクション選択、ダイスロールによる持参金報酬、袋引きの貿易品など、運の要素がやや多めで好き嫌いの分かれるところだとは思うが、それに一喜一憂しながら何とかやりくりしていく面白さがある。
また直接攻撃要素はなく、中世ヨーロッパの華やかな雰囲気を感じながらも水面下では駆け引きを楽しむ貴族的な遊びがこのゲームの魅力だと思う。
とても好印象だった。また遊びたい。