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073: オブセッション(Obsession)

CMON JAPANが前触れもなく英語版(日本語訳なし)の販売をしてくれた作品。以前からSNSで時折プレイ報告があり、その洗練されたアートワークから興味があったため購入したのだが、非常に面白かったのでレビューしたい。



ゲーム概要

プレイヤーは、19 世紀ビクトリア朝イングランドにおいて、尊敬されているものの困難を抱えた一族の領主となる。プレイヤーの目標は、ダービーシャーで最も影響力のある有力な一族フェアチャイルド家とより良い関係を築き、領地を改善し評判を高めることである。

お洒落な雰囲気が素敵すぎる!

このゲームで最も魅力的だと感じる部分はそのテーマとアートワークだ。英国の上流貴族を感じさせる上品で繊細なアートワークは唯一無二。BGGには、デザイナー兼アーティストのダン・ハラガン(Dan Hallagan)1人しかクレジットされていないので、かなり小規模なデベロッパーで作成しているのだろうか。

改築タイルは文字だけでちょっと愛想ないが、人物カードは白黒の実写が使われており貴族感があり、細かなアートが非常に凝っていて素晴らしい。没入感は相当なものである。

テーマとシステムがマッチしていて、悩ましく面白い!

通常ゲームでは16ラウンド、拡張ゲームでは20ラウンドを行い、ゲーム終了時に勝利点の多いプレイヤーの勝利である。プレイヤーは順番に1ラウンドに1回手番を行っていく。

手番では改築タイルを一つ選び、アイコンで示された召使い駒を使って催事を開催する。この時、催事固有の評判値を獲得している必要がある。

テニスコートでテニスを行う。評判値2以上と下男駒(白)が必要となる。

さらに催事を行うには、アイコンの上に指定されたゲスト(手札)も招待する必要があるのだが、これらゲストにも召使いが必要な時があり、さらに一定以上の評判値を必要とする。

テニスを行うには2人のゲストを招待する必要があり、それぞれに召使い駒を必要とする。

とても制限が多いように見えるが、慣れるととてもシンプルで難しくはない。またゲストは招待すると獲得できるボーナスが右下に示されており、手札の中からどのゲストを招待するか考えるのは非常に悩ましく面白い。

言語依存は少なく、ほとんどはフレーバーテキストである。

催事は多彩で戦略性も高い

催事を行う改築タイルは5種類あり、各タイルは使用すると裏向きとなり効果が強化される。また使用前の表向きはマイナスの勝利点なのだが、裏向きになるとプラスの勝利点へと変化する。催事を行い、これらのタイルをいつ裏向きに変化させるのかという戦略性が問われている。

また中央メインボードの市場には新しいタイルが販売されており、他プレイヤーが狙っているタイルを見極めて先に購入することも非常に重要な駆け引きとなる。今風の適度なインタラクションで安心して遊べるのは非常に好みだった。

女性と2人で遊ぶのがおすすめ?

カード運は強めで、BGGのベスト人数は2人となっている。ガチゲーマー2人で遊んでももちろん面白いのだが、テーマを考えると女性と2人で遊ぶと盛り上がりそうだ。ドミニオンが遊べるのなら、まず問題ない難易度だと思われる。ただし日本語版はないので言語的なハードルは高い。

手札の雰囲気たっぷりなカードを眺めながら、アフタヌーンティーに貴族気分で優雅に楽しみたいものだ。

ゲストカードには、評判は下がるが多額のお金を稼ぐゲストなどもいて可笑しい。

今回の満足度:9点(10点満点)

非常に面白い!
とにかく大人な雰囲気の漂うテーマとアートワークがとても気に入った。ほとんどゲーム内容を知らずに購入したのだが遊んでみるとすごく遊びやすく、デッキ構築ならぬタイル構築でゆったりとした拡大感も非常に気持ちが良い。

BGG weightは3.09となっているが、それほど重い印象はなくドミニオン(BGG weight 2.35)が遊べるなら十分楽しめるのではないだろうか。

しかし惜しむらくは日本語版がないことだろう。英語が苦手な自分は和訳サマリーを参考にさせてもらったが、素敵なフレーバーを楽しむことができないことが非常に残念だった。

フレーバーも楽しめたら10点だったなぁ。

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