ゆうばり国際ファンタスティック映画祭が公表した「スカラシップ制度廃⽌のお知らせとお詫び」について、思う事

下記の声明文を公表している「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭・スカラシップ問題追及の会」発起人の一人として名前を連ねております、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭(以下、「ゆうばり映画祭」と略します)元スタッフの佐藤です。

日本語と英語で同内容の声明を出しております。2025年1月10日現在、ゆうばり映画祭およびその関係団体・関係者のすべては無視・沈黙を貫いています。賛同者は随時募集しております。よろしくお願いいたします。

「スカラシップ」とは?

「スカラシップの権利」は、ゆうばり映画祭各部門のグランプリ受賞作家に付与され、資格者から新作のプレゼンを募り、選考の上で、作品制作支援を行うとしたものでした。

スカラシップが中止されるまで

ゆうばり映画祭2023ではこれを募集要項に盛り込んで映画祭出展作品を募集しましたが、映画祭2023終了から一年半以上にわたり、公的なアナウンスを一切行っていませんでした。
そんな中の2024/11/22、映画祭公式サイトから一方的なリリース報告としてスカラシップ中止を発表。そこには発表者(責任者)の名前もなく、文章全てを画像ファイルに加工して公開されました。
また本件については、活動を休止し、ゆうばり有志の会に映画祭運営を引き継いだとしている「NPO法人ゆうばりファンタ」が「理事会」を開いてこれを決定したとのことですが、もちろんこの決定をした理事会参加メンバーも明らかにされておりません。

なお、NPO法人ゆうばりファンタ代表理事の上田博和氏はゆうばり映画祭2024終了後、11月の早い時期に辞任したとの噂ですが、NPO法人の代表理事の辞任は理事会を開催し多数決で承認されないといけません。個人で勝手に宣言して辞めれるものではありません(理事は辞表を出して辞任できます)。あらゆる事象が今現在全く不透明です。

未払い問題の不透明調査

そもそもゆうばり映画祭では未払い問題が取り沙汰されるまでに、ゆうばり映画祭2023の賞金や、オープニング映像(アヴァン)の報酬が2年間未払い。また、審査員への報酬が未払いなど。報道以前の段階で多くの問題が露呈していました。これを代表理事の上田氏は北海道新聞報道後にようやっと動き出し「数百万の弁護費用を支払って調査する」としましたが、その報告は当時NPO法人理事であった私などに、経過・報告・結果。一切の説明がありません。もちろんマスコミなどにもこの調査結果は報告されていません。「調査結果」はいつ公表されるのでしょうか?

実行委委員長も務めるゆうばりファンタの上田代表理事は、北海道新聞の取材に対し、「未払いの事実は先週知った。会計などの実情がそれまで私に連絡されず、驚いている。地元夕張の方々に心配をかけて申し訳ない。問題を整理し、解決していく」と話した。

ゆうばり映画祭で賞金未払い 前回23年分5人60万円 さらに拡大か:北海道新聞デジタル

7/25の新聞記事で上田博和氏は上記のようにコメントしていますが、ゆうばり映画祭実行委員会の会議では、未払い問題は私が毎回のように議題に出していましたが「未払いの事実は先週知った。」とはどういうことなのでしょうか?

2024/8/30 ゆうばりファンタ理事会

2024年8月末。「NPO法人ゆうばりファンタ」は理事会を開き、「ゆうばり有志の会」に映画祭運営を引き継ぎました。その理事会参加者は、

  • 理事長上田博和氏

  • 司会として理事千石慎弥氏

  • 理事TM氏は千石氏に委任欠席

  • 理事KS氏

  • 私(佐藤)

と、当時の理事だった5名がほぼ全員参加でした(1名だけ、理事TM氏は千石氏に委任欠席)。

この内容も酷いものでした。このときの時点で「ゆうばり有志の会」正式メンバーは1人(代表となったNK氏のみ。30人のメンバーを集めたと説明がありましたが、NK氏以外の具体的なお名前も2名出ましたが、この方々は実際はジョインしませんでした)で、資料なども一切なく口頭で説明。なぜ「ゆうばり有志の会」が映画祭を継続するのに適切な団体であるのか。資金面は大丈夫なのか。ほぼ全部の説明が不十分でした。

ただ、開催会場については、とある「ゆうばり有志の会」を応援する人物が、準備を整えているとのこと。
と、通帳の管理は千石慎弥氏が行っており、出納の権限は彼が握っていました。「ゆうばり映画祭」の経済活動は、千石慎弥氏の管理する通帳の状況がブラックボックス化していたため、ストップしたままでした。
*今現在「通帳管理問題」についてはここまでの記述に留めます。

私はこの千石慎弥氏提案の「ゆうばりファンタは活動を休止して、ゆうばり有志の会に運営を託す」という議案について「棄権」しました。
ほかの参加者は「賛成」しました。つまり、下記のようになります。

  • 賛成 理事長上田博和氏

  • 賛成 司会理事千石慎弥氏

  • 賛成 理事TM氏(千石氏に委任欠席)

  • 賛成 理事KS氏

  • 棄権 私(佐藤)

反対と言えば「ゆうばり映画祭を妨害するのか?」と、問い沙汰されるような状況でしたし、実際私一人で何かをしようにもどうにもできない状況でした。そしてこの日に私はゆうばり映画祭スタッフを辞職し、NPO法人ゆうばりファンタ理事については9月末に辞任しました。

2024/10/24 ゆうばり映画祭2024開催

ゆうばり映画祭2024開催パンフレットには活動を休止しているはずの「NPO法人ゆうばりファンタ」の名前が「主催」として記されています。本文章を書くにあたって「8/30理事会」の録音を聞き直しましたが、千石慎弥氏より「NPO法人ゆうばりファンタは活動休止するが主催として名前は残す。」と発言がありました。

スタッフ&ご協賛一覧 ■主催NPO法人ゆうばりファンタ■運営事務局ステム(株)、ゆうばり映画祭有志の会■運営協力ジャパンプロダクション(株)、(株)マメゾウピクチャーズ、クロノスガイヤ(株)■特別協賛京楽ピクチャーズ.
ゆうばり映画祭2024パンフレットより「主催 NPO法人ゆうばりファンタ」と記されている
公表されている個人名は5名のみ。参加団体にはNPO法人ゆうばりファンタ理事が代表取締役を務める会社が参加している。
上記は2024/10/12に公式サイトから発表された「運営組織図」。やはり「NPO法人ゆうばりファンタ(注:特定非営利活動法人=NPO)」の名前がある。

マスコミへの発表では「NPO法人ゆうばりファンタ」の活動自粛をうたっていたはずだが、NPO法人ゆうばりファンタで申請が通っていた某団体の助成金を獲得できるかもしれない。という目論見からでしょうか?
そしてこのような「二枚舌」が「国際イベント」の主催団体として許容されるものなのでしょうか?

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭を主催する「NPO法人ゆうばりファンタ」(夕張市、上田博和代表理事)は30日に理事会を開き、34回目となる今年の映画祭を10月24日から27日まで、夕張市と空知管内栗山町の2会場で開くことを決めた。同法人は過去の賞金未払いなど不適切経理の責任を取って新体制移行まで活動を自粛し、映画祭の運営は、映画関係者でつくる「有志の会」や新たな運営実行委員会が担う。

ゆうばり国際映画祭 10月に夕張、栗山で開催 映画関係者らが有志の会:北海道新聞デジタル

2024/10/26 開催中の事故

ゆうばり映画祭開催中3日目の10/26の朝未明にとある方から連絡をもらいました。「審査会が機能していない」とのことでした。このときは具体的な説明はできないとのことで、私はそのままのお話を飲み込むしかありませんでした。予備選考に関わって、全作品を審査視聴している私の私見を述べました。実際の出来事についてはゆうばり映画祭2024閉会後に、くわしく説明していただきました。唖然としました。何に唖然としたかは、あえてここには書きません。

2024/12/16 未払い問題は未解決だった

2024/12/16に、とある賛同者のおひとりから受け取ったダイレクトメッセージで、衝撃的な話であり、ある意味想像通りの話を知りました。
ゆうばり映画祭2023において「報酬の未払い、立て替え清算無視・踏み倒し」がある、という、訴えです。辞任前にわかっていたらば。もう少し早くコンタクトが取れていたらば、お力になれたのですが……。元スタッフとして本当に無念の気持ちでした。

「NPO法人ゆうばりファンタ」および「ゆうばり有志の会」側は「未払い問題は解決した」と、マスコミに向けて大本営発表を行っていましたが、これは事実とは全く違います。

有志の会・田村謙治事務局長)
「基本的にはもう連絡がつく方、あるいは未払いだという風にご連絡をいただいた方に関しては全員支払いは終わっていますので、そこはもうほぼ解決をしている」
3年間で約240万円の賞金未払いなどで開催危機の映画祭「ほぼ解決」と開会準備進む 北海道・夕張市 HTB北海道ニュース

非常に無責任で、杜撰な組織であり、またその中身は

「NPO法人ゆうばりファンタ」≒「ゆうばり有志の会」

です。

私個人としてはスカラシップ問題も「未払い問題」の一部だと考えています。この問題を12月のリリースまでに、ゆうばり映画祭側からはなんの発表もありませんでしたし、実際何も実施や決定、連絡がなされていませんでした。

ゆうばり映画祭の「未払い問題」は解決しておらず、明らかになっているのは氷山の一角です。そんな中。「ゆうばり有志の会」はゆうばり映画祭2025の「新体制」を発表するとしていると風の噂で聞きましたが、2025年1月10日現在、沈黙したままです。

もちろんゆうばり映画祭2024は、ゆうばり有志の会なる組織が短期間で準備を行ったことは大変だったとお察しします。ただ、その「苦労の末実施した」ゆうばり映画祭2024自体にも沢山の不備・お粗末さが露呈している中、「よくぞ実施してくれましたね!」とはならない現実があると、私は強く思います。2025年1月10日今現在の運営体制がそのまま残って続ける「ゆうばり映画祭」に賛同しません。

責任の所在を曖昧にし、なんとなくなかったことにしよう。
組織全体が悪いのであって、担当者名などの個人は表に一切出さないで、なんとなく終わらせよう。実権は握っているのだから。

あまりにも姑息で、矮小な考えを持った無責任な組織だと強く非難します。

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