成熟市場で鮮度維持努力をしなかった有名ブランドの扱いについて【sato流 市場戦略 講座Ⅰ⑱】
成熟市場では『鮮度維持』が大切であるとお話をしましたが、鮮度維持を怠ってしまったブランドは時代遅れとなってしまいます。
「おじいちゃん、おばあちゃんが使っているもの」というイメージが付いたロングセラー商品の誰でもが知っているブランドを再び活性化するのは至難の業です。
若年層に向けて情報発信しようと、ドラスティックにリニューアルを行っても、今までの固定客が「別物」と認識されますと、顧客離れの原因になります。
お店でいつものを買おうと探しますが、パッケージが全く変わってしまってわからないことが多いものです。お店の人に聞いてもらうといいのですが、長年使っていると、パッケージの印象で商品を覚えていることも多いため、「このお店にはないのかな?」と判断され、仕方なくいつも使っている商品パッケージに近く、商品訴求も近い競合品を買うことになります。きっと同じようなものだろうという推測が働くからです。
そして、肝心の若い人は時代遅れのイメージが付いたブランド名が入った商品を、パッケージが今時だからと言って買ってくれるかと言いますと、最早自分が使うブランドとして受け入れてくれません。
というような結果になることが多いです。
では、どうするかと言いますと、
若年層向けのブランドを立ち上げるほうが早くて、効果的です。
そうなると、社内では「お金がかかる」とか、「今までのブランドを何とかしたい」という意見が出てきて、新しいブランドをつくるかどうかの議論に時間がかかり、ますます時代遅れになってしまいます。
ですから、世代を飛ばさず、常に少しづつ新しくしていくように、ブランド管理をしっかりしなければならないのです。
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