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湖池屋 『プライドポテト』 リニューアル戦略 分析と改善案【勝手にコンサルティング➁】


 湖池屋のポテトチップスについての記事を見ました。

 湖池屋のポテトチップスのシェアは、

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 1位:カルビー71%、2位:湖池屋22%(2017年、富士経済「食品マーケティング便覧2017」より)

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 そして、なんと、

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 1962年に日本で最初にポテトチップスを量産して販売したのは湖池屋だ(最初のフレーバーは「のり塩」)。

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そうだったんですね、てっきりカルビーだと思っていました。

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 2017年に湖池屋が発売したポテトチップス「プライドポテト」が今年2月にリニューアルした。リニューアルを行った結果、前年同月比512%という大ヒットに。「プライドポテト」は、それまでの国内ポテトチップスカテゴリにほとんど存在しなかった「プレミアムポテトチップス」という全く新しいカテゴリを誕生させた商品だ。
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さらに、PRESIDENT online 記事には、

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 湖池屋最大の魅力は、全員が80点をつける商品で市場を席巻するのではなく、一部のユーザーが120点をつけるポテトチップスを複数ラインナップすることで、結果的にオールレンジのユーザーをカバーする商品開発姿勢。

 それは、プレミアムラインである「プライドポテト」はじめ、「じゃがいも心地」「ポテトの素顔」といったナチュラル系、「KOIKEYA STRONG」シリーズに代表される濃厚がっつり系といった、振れ幅のある商品展開に表れている。

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とありました。

 今までの巨大市場を細分化していって、そこでナンバーワン、オンリーワンをとる戦略のようです。

 最近はよくTVや雑誌などで取り組みについて知る機会が増えましたので、興味がありました。そこで、私なりに勝手に分析と改善案をご提案したいと思います。

 そこで、早速近くのスーパーにリサーチに行きました。


1.旧品の分析

 (HPを見ると、このシリーズは発売中止しているわけではないようです。)


旧品が置かれているお店では・・・

 ポテトチップス売り場を見に行くと、カルビーのポテトチップスは店頭での主張が強く、棚の前に行かなくてもそこにあることがわかりました。その隣に湖池屋「プライドポテト」があったのですが、パッケージデザインがおとなしすぎて、埋もれてしまっている感じがします。

      【湖池屋:プライドポテト 128円】

湖池屋

隣にあったのは、

       【カルビー:ピザポテト 118円】

ポテトチップス


(1)パッケージデザイン


 「プライドポテト」は、「青」ベースで、ポテトチップスが整然と並んでいてシズル感が乏しい感じがします。下のカルビーは、黒ベースで赤や黄色でとろーりチーズが引っ張られた動きがあるところは、美味しそうな感じが出ています。店頭で手が伸びるのは残念ながらカルビーのほうです。パプロフの犬のように、チーズとポテトチップスの味が頭の中で想像され、食べたくなります。

 一般論ですが、「青」などの寒色系はあまり食欲がわかない色目です。

 「宗像」「焼きのり醤油」「あなご」が特長のようですが、文字表現だけで美味しさは伝わってきません。しかもフォントはパソコン文字で特別な感じはないです。美味しさは、やはり文字よりもビジュアルで表現したほうが伝わりやすいです。

「JAPAN プライドポテト」も何が良いのか伝わってきません。「ライドポテト」というのは、たぶん、最初にポテトチップスを世の中に出したプライドという意味が込められているように思い、面白いと思いますが、気を付けて見ないと「ライドポテト」にしか見えません。

 折角「」にこだわったのであれば、大きくするか、色目を変えたほうが伝わります。

 「JAPAN POTATO 100%」は他社にはない大きな特長ですが、気を付けないとスルーしてしまいます。ローマ字表記よりも、『国産』を表現しているので漢字表記のほうが一瞬で認識できると思います。

 カルビーはパッケージ正面に「賞味期限2020.12」が入っています。親切ですね。店頭でパッケージをひっくり返して確認する手間が省けます。どのくらいの人がポテトチップスの賞味期限を気にするかは不明ですが、カルビーの企業姿勢として鮮度の良いものをお届けしようという心意気が読み取れます。たぶん、デザイナーさんや開発担当者はデザインが崩れるという思いから嫌がるでしょうが、お客様にとってはデザインの完成度よりも店頭での利便性のほうがありがたいです。


(2)ポジショニング


 「宗像産醤油とあなご」とあるように、『地域特産』にポジションをとったと思います。しかし、『ご当地ポテトチップス』が各地から出ていますので、スーパーで売られている、工場で大量に製造している湖池屋のものとなると、本物感は薄らぎ『ご当地』に負けてしまいます。


(3)中身


 まず、封を開けると、カルビーはふわ~とチーズと塩と油の香りが漂います。それに比べ、「プライドポテト」は「焼きのり」も「醤油」も「磯」の香りもかすかにするだけ。食欲をそそるのは、残念ながらカルビーのほうです。

そして、中身ですが、

「プライドポテト」は、

湖池屋旧品中身

「焼きのり」がポツポツ程度についています。お色目も「醤油」をイメージできるほどではなく、従来のポテトチップスの色と同じように見えます。

 きっとフレーバーだけが、「焼きのり醤油」なんでしょうね。と思って頂きましたが、普通のポテトチップスとの差がよくわかりませんでした。(湖池屋さん、辛口ですみません。)

カルビーのほうは、

ポテトチップス 中身

 ところどころチーズの塊があって(写真ではわかりづらいですが、上のところとその下あたりに塊が見えます。)、チーズの香りと味がしっかりついていて、納得感がありました。

パッケージを見てワクワクした通りの美味しさでした。


2.リニューアル品の分析


リニューアル品が置かれているお店では・・・

ポテトチップス売り場を見に行くと、「プライドポテト」全アイテムと、「じゃがいも心地」全アイテムが横並びに並んでいて、きらきら光っているので、カルビーの商品群よりもインパクトがありました。

リニューアル品の「プライドポテト」はこちら。値段は変わらず128円。

湖池屋 神のり味 パッケージ


もう一度、旧品はこちら。

画像6


 リニューアル品のほうが明るく、情報が整理されていて、「神のり塩」から来る美味しさが伝わってきます。

そして、洗練されていてキラキラ輝いているので「プレミアム」な感じがします。


ちなみに、隣にあった「じゃがいもここち」はこちら。

じゃがいもここち

 湖池屋でブランドを越えてパッケージに統一感があって、キラキラ光っているので、店頭で『面』展開するとかなりインパクトがありました。

このパッケージデザインは私は好きです。

 「一番搾りごま油」「岩塩」「1枚1枚、野菜の味が濃い。」「厚切り」「日本産 生じゃがいも100%」と、こだわりが凄いことが伝わってきます。

 ポテトチップスが積み重ねられているのも、動きがあって目を引きます。

 イエローゴールドと黒の組合せは食欲をそそるのと、贅沢な感じがとてもいいですね。


(1)ポジショニング


 「プレミアムポテトチップス」というカテゴリーは、スーパーのポテトチップス市場の中で、カルビーを一般的なポテトチップスとしその上の「ちょっと贅沢なポテトチップス」、「大人のポテトチップス」というポジションをとっていると私は思います。値段も10円高いというのもいいですね。

 今までと違うポテトチップスですから、食べ方もプレミアムらしく新しい提案する必要があります。

 カルビーのイメージは「TVを見ながら、袋からそのまま取り出して、ほおばっている」という食べ方だったので、これとは違う食べ方を見せなければなりません。

 湖池屋のHPを見ると、CMの中でベッドに寝そべりながら、現役中学生モデル・汐谷友希さんが美味しそうに食べています。

果たしてこれでプレミアムが伝わっているのか?少し疑問に感じました。

 「寝そべる」というのは、従来のポテトチップスのシーンとさほど変わらないように感じます。「プレミアム」ですから、食卓で女子会か家飲みか、お母さんのおやつタイムか、しかもお皿に入れて。とにかく従来とは違う食べ方でなければ従来との違いがわからないと思います。


(2)パッケージデザイン


 これはもう洗練されていて、完成度が高いと思います。

 ポテトチップスが整然と並んでいるところは『プライドポテト』のDNAを引き継いでいますのでいいのですが、パッケージを見る限り、一般的なポテトチップスより小さくて、一口で食べれそうな印象がします。しかし、実際にはそこまでは小さくないのです。封を開けたとき、少し違和感がします。

 整然と並ぶ中にも1つ1つ動きがあるほうが、個人的には美味しく見えるように思います。


(3)中身


神のり中身

 のりが沢山ついていて満足です。香りもしっかりついていていいですね。お味もしっかり主張していて美味しいです。

以上、勝手なことを書きましたが、ご参考になれば幸いです。



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