エムスリーの日経新聞記事から【事業分析⑦】
本日2021年1月19日日本経済新聞に、
「医師9割、エムスリーに集う」
という記事が出ていました。
ご存じの方も多いと思いますが、エムスリーは2000年創業の医療情報サイトです。
医師の9割の29万人を会員に持ち、医薬品や病気に関する情報を医師に提供しています。そしてサイトに掲載する対価を製薬会社などから受け取っています。いわゆるプラットフォームビジネスで、広告収入が大きな収益の柱ですね。
凄いのが20期連続増収増益で、下のグラフ(strainerより)のようにぐんぐんと売上高、営業利益を伸ばしています。凄すぎます!!
今期はコロナ下でMRさんが病院に行けないので、さらに業績をアップさせたようです。
『私の家政夫ナギサさん』に出てくるようなMRさんによる営業よりも、医師がサイトにアクセスするほうが効率よく目的とする薬を見つけることができますよね。コロナ下でこのスタイルが定着しそうです。
さらに、サイトを通じて日々蓄積する医師の利用履歴データ(医薬品を選ぶ際にどのような要素を決め手とするかなど)を分析して医師に効果的にアプローチできるように、製薬会社を支援する取り組みもしています。
そして、LINEと提携してエムスリーに登録する医師にオンライン診療サービスの提供も20年末から始めています。
広告費+コンサルタント費+オンライン診療サービス
と、両者をターゲットにビジネスを拡大していっています。
情報ビジネス、プラットフォームビジネスというのは、本当にいろいろな可能性がありますね。
株式時価総額は過去1年で3倍に増え、1月15日時点で6兆8077億円。東証1部上場銘柄で15位。武田薬品工業(5兆6765億円)よりも上です。個人的には、こつこつと研究員さんが良いお薬をつくってくれるほうを応援したくなりますが、情報のほうがビジネスになるのですね。
20年前にこのようなビジネスに目を付けたエムスリーさんは凄いです!!