見出し画像

他社が新市場を創造しつつある状況下で参入することの意味と方法。【sato流 市場戦略 講座Ⅰ⑪】

昨日は、自社が市場を創造する方法のお話でした。

今日は、他社が新市場を創造しつつある状況下で、その市場に参入する方法をお話いたします。

図でお示ししますと、このような状況です。

画像1

大事なことは、潜在顧客(=まだ当該カテゴリーの商品を使ったことはないが、その商品を知って使う機会があれば、購入するお客様のこと。)に競合他社よりも先に自社商品を使ってもらうことです。

先に使ってもらうとそれがお客様の基準になりますので、それよりも明らかに優れているものでない限りブランドスイッチすることはないからです。

また、商品のネーミングやパッケージも先に覚えてもらうと、そのカテゴリーの代表が自社の商品となることができます。

これは結構大事なことで、マインドシェアと言って、「当該カテゴリーと言えば?」と聞いたときに最初に出てくるブランド名のシェアが実際の売上シェアに近くなるからです。

マインドシェアと売上高シェアがピッタリ一致しないのは、ペットボトルのお茶のように、欲しいときに売り場にあるものの中から選ばれますので、店頭カバレッジも影響します。ですから、実際の売上高シェアとは少し違ってきます。

広告宣伝費に余裕があるか(このような企業様は少ないと思いますが。)、そのカテゴリーが本来なら自社の領域であるか、かなり大きな市場規模で将来に渡り有望である場合は、思い切って広告投資を行います。この投資判断が経営戦略ですね。

先に潜在顧客を獲得することが大切ですから、とにかくスピードが大事です。ましてや、自社の領域であったり、敵対する競合が先に市場を創るような場合は全力で追随します。

潜在顧客もそこまで当該カテゴリー商品が欲しいと思っていなくても、1社だけでなく複数社が宣伝合戦をするとなると、市場が活況となり、一気に市場が出来上がり、成熟へと向かいます。

「こんな商品カテゴリーは自社としては認めない。」なんて変化を受け入れなかった同業者は周回遅れで参入する羽目となり、もう2番煎じの低価格のポジションしか取れなくなりますので要注意です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?