『老子 あるがままに生きる』(安富 歩 編訳)【sato流リーダー講座Ⅱ⑫】
ビジネスリーダーの方に是非読んでいただきたい書です。といいますか、もう皆さんは読まれているかもしれません。
私も、エッセンシャル版を6回目を読み終えたところです。150ページくらいで1ページあたりの文字数も少なく、タイトルとその解説で構成されていてとても読みやすい本です。しかし、読めば読むほど、いろいろな気づきがあり、奥深いです。
『老子』は「老子」という人が書いたのではなく、この本が一人の思想家によって書かれたと考えて、その人を仮に「老子」と呼んでいるに過ぎないとありました。二千数百年前に書かれた本だそうです。
具体的な人名や地名がまったく現れず、すべての章が抽象的な議論になっています。
『道(タオ)』という言葉を聞かれたことがあるかと思いますが、それが登場してくる思想です。
思想の根源は、動的な世界観で、
「世界のいかなるものも、うごかないものとしてではなく、生まれ、変化し、滅ぶものとして理解する。」
そしてそれを、固定した動かし得ないものと思い込んでしまうことの危険性を、繰り返し指摘しています。
変化こそが、自然の摂理なんですね。
「あやうい状態から この豊かな世界が生まれた」や「世界をありのままに見る」など理解できて、今すぐに役立つお話ですが、
「聖人は自分の存在を 誰にも意識させない」、「あくせくと動くものは 自ら死地に赴くことになる」などは、まだまだ理解できない部分です。
きっとまだ、頭でこじつけて勝手にこうあるべきだと思い込んでいるのでしょう。
シンプルながらも、ものごとの通りを言い当てていて、ビジネスや人生の指針になります。
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