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|影山多栄子の小部屋|

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人形作家・影山多栄子が物語世界を旅しながら、共に時を刻んでゆく人形たちを発表します。
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#嶋田青磁

二人展《空はシトリン》|永井健一&影山多栄子|春から生まれしもの

 初夏は幻のように過ぎ去り——まるで生きとし生けるものすべてがじっとわたしたちを見つめているような暑さのなか、本展は幕を上げる。  この熱暑はまぎれもなく、今は遠き〈春〉が産み落としたものである。春は、冬の間ねむっていた生命がいちどきに噴出する季節であって、そこで生まれた命は一直線に、だが静かに夏へと向かってゆく。  本展メインヴィジュアルのひとつ《私の知らない林》に描かれている、煙る記憶のなかに通り過ぎる子どもたち。その幻想は、汽車の窓から眺める景色のように、あっという

二人展《空はシトリン》|影山多栄子|白く、やさしい幻想

 日常を生きていて、ふと「ここにはいない誰かさん」を思うことがある。  その「誰かさん」がほんとうに存在するのか、何者なのか——そういった問いはたぶん、あまり意味がない。でも、小さいとき「誰かさん」はいつも側にいて、もっと身近に実感していた気がする。  宮沢賢治『小岩井農場 パート9』は、こうした精神世界の友だちを唄った詩ではないかとわたしは思う。  影山多栄子氏はこの詩に現れる「ともだち」ユリアとペムペルを、人形作品としてみごとに表現されている。初夏に差し掛かる頃に降る

二人展《空はシトリン》|DAY 2

本記事はオンライン展覧会《空はシトリン》DAY 2の配信記録です。明日8/2は配信お休みとなります。 Text霧とリボン  酷暑が続いていますが、皆様、お健やかにお過ごしでしょうか。水分補給をされながら、どうぞくれぐれもお気をつけてお暮らし下さいませ。  私たちの「観て読む」夏フェス、影山多栄子 & 永井健一 二人展DAY 2——本日も麗しのシトリン団が堂々と菫色のステージを飾りました。オンライン展覧会をお楽しみ下さいました皆様に深く感謝申し上げます。  本日最初のス

二人展《空はシトリン》|DAY 4

本記事はオンライン展覧会《空はシトリン》DAY 4最終日の配信記録です。 Text霧とリボン  私たちの「観て読む」夏フェス、影山多栄子&永井健一 二人展は、本日をもって4日間の会期を無事終了致しました。  菫色のステージを鮮やかに過ったシトリン色の新しい風。お楽しみ頂けましたでしょうか。  フロントロウから、あるいは遠くからこっそりと、絵画と人形、エッセイが明滅する舞台をご高覧下さいました皆様に心より深く御礼申し上げます。皆様の静かな熱狂がここMAUVE CABINE