ART & ESSAY《4》|熊谷めぐみ & 野村直子|『二都物語』——パリ
1775年のパリ、18年の間囚われの身となっていたマネット医師は娘ルーシーに連れられて、ロンドンへ渡る。5年後、ロンドンの裁判所では、フランス側のスパイの疑惑をかけられたチャールズ・ダーネイが死刑の判決を受けようとしていた。絶体絶命のピンチに、無気力な弁護士シドニー・カートンが救いの手を差し伸べる。ルーシーに惹かれる男たちは、それぞれの立場で彼女を幸せにしたいと願うが、海の向こうで響き始めたフランス革命の足音は、彼らの上に暗い影を投げかけるのだった。
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月日は流れ、