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|熊谷めぐみの小部屋|ART & ESSAY

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ディケンズの小説を題材に、気鋭のアーティスト達が作品を制作。熊谷めぐみによる小説案内、作品紹介エッセイとの競演により、ディケンズと現代作家が時を超えて出会います。
運営しているクリエイター

#アンデルセン

影山多栄子《2》|月光菓子クッキーセット

*  都会の街で、屋根裏部屋に暮らす若く貧しい画家の青年。でも、子どもの頃からの友達である月が、世界中で見た光景を夜ごとに語ってくれるから孤独ではありません。ディケンズとも深い親交のあった作家アンデルセンが紡いだ『絵のない絵本』は、そんな美しく不思議な物語。  第三夜、月はある女性のことを少女の頃から見つめ続けていました。バラよりも輝く少女のきらめきは儚くも美しいものでした。  第十七夜、世界の色々な光景に見てきた月も、とびきりのおしゃれに喜びを隠せない少女の姿には、思

影山多栄子《1》|月光菓子ケーキセット

*  都会の街で、屋根裏部屋に暮らす若く貧しい画家の青年。でも、子どもの頃からの友達である月が、世界中で見た光景を夜ごとに語ってくれるから孤独ではありません。ディケンズとも深い親交のあった作家アンデルセンが紡いだ『絵のない絵本』は、そんな美しく不思議な物語。  第七夜、月が自然に囲まれた石の塚を見下ろしていると、たくさんの人が通りかかります。しかし、本当にその美しさを理解しているのは貧しく祈りに満ちた少女だけでした。  第九夜、月はグリーンランドに光を伸ばし、人と自然の