ロックマンエグゼの感想
はじめに
Twitchにて「ロックマンエグゼ」を初見プレイしクリアしたので、本記事ではその感想を書いていきたいと思います。
(↓はその配信のアーカイブです。見てもらえると滅茶苦茶喜びます!)
感想
全ての始まりに初めて触れる
ロックマンエグゼシリーズは2〜6までを小学生〜中学生時代に順番にストーリークリアした経験がある。
ロックマンエグゼ初代(以降、表記上『1』とする)は全くやったことが無いのでいずれやりたいな、でも出来るゲーム機無いしな…と頭の片隅で考えていたところでSwitch移植(リマスター?)となる「ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション」が発売されたのはまさに僥倖だった。
まずプレイしてみて驚いたのは(情報としては知ってはいたが)『1』の時点で既に基礎的な部分はほぼ完成していたということだ。
世界観、UI、音楽、バトルシステム、キャラクター、ネットワーク事件が起こりなんやかんやで解決していく毎に敵の大いなる野望に巻き込まれるというストーリー進行…後のナンバリング作品でこれらはブラッシュアップされ改良されるものの『1』の時点で「十分に素晴らしい」レベルで楽しめる。
特に音楽は素晴らしく、ロックマンエグゼのメインテーマは既にこの時点で完成していた。
フィールドのロックマンや熱斗達も『3』でまではおそらくこの『1』のグラフィックが流用されている。
一方、インターネットは背景や道の色が全て統一(というか後の作品の〇〇エリアみたいなのがない)ことに驚いた。
僕は『2』以降しかやったことがなかったのでロックマンエグゼといえば各エリアごとに作りこまれた背景や道が醍醐味、と思っていたのだが『1』でのインターネット散策はどこまで行っても同じ道同じ背景で単調なものであった。
当時『1』をやってから『2』をやった人たちはグッと広がるインターネット世界に感動しただろうな…
他、エンカウントやバトルについては厳しい評価をせざるを得ない。
バトルシステムは前述の通り『1』でほぼ完成されている。
その一方ウイルスたちが強い。
後の作品に出てくるウイルス達も『1』ではやたら強かった。
例えばチップ「ホウガン」を手に入れられる「ハルドボルズ」については、ロックマンに向けて発射されたホウガンの弾速がはやく、僕の反射神経では最前列で躱すことはほぼ不可能だった。
その上エンカウント率が高い。
更にストーリーの都合やマップの構造上かなり歩き回らされる。
しかも『1』では「逃げる」コマンドがなく、「エスケープ」というチップがないと逃げられない。
よって目当てのウイルスや亡霊ナビと戦わないときは「エスケープを入れられるだけ入れて、他はチップの回転効率が良くなるようにコードを揃えて入れる」という専用フォルダを作る必要があった。
チップを集めるためのナビやウイルスとのエンカウントもなかなか厳しかった。
『1』では直前に戦った敵と出会いやすくなる「エネミーサーチ」がなく、ひたすら自力でエンカウントしなければならない。
道中は非常に苦戦したが、
①「エンカウント直前でセーブするとすぐにエンカウントできる」
②「タイトル画面で『つづきから』を選ぶと同時に十字キーを押し続けていれば、リセットの度に同じエンカウントになる」
③「②の際に歩くか走るか、どの方向に進むかである程度出現するウイルスを変えられる」
という裏技?を見つけてからはかなり安定してチップ集めが出来るようになった。
エンカウントをある程度固定できるのでエスケープを入れずに目的のナビ/ウイルス用にチップフォルダを作成できる。
目的のものが来なかったらリセットし、ちょっと動いて乱数を変えてまた①~③をやることで短時間で敵の出現の厳選ができた。
これ知らなかったりしたら多分倍の時間はかかってただろうな…
…とまあ厳しい評価を並べてきたがこれだけ熱く語れるのは『2』以降ではこれらの要素はほぼ解消されていると思うからだ。
それにこれらの足枷があってなお、ロックマンエグゼ1という作品は素晴らしいのだ。
世界観やキャラクター
ここからは世界観やキャラクターについて語っていきたい。
引用「200X年、インターネットの急速な発達によるネットワークの時代。
人々は「PET(ペット)」と呼ばれる携帯端末と、人格を持ったプログラム「ネットナビ」により数々のネットワーク技術の恩恵を受けられるようになっていた。
しかし、生活が便利になっていくその一方で数々のネット犯罪もまた、引き起こされていた。
主人公の“光熱斗”とそのネットナビ“ロックマン”は力を合わせて数々の事件に立ち向かっていく。」
この設定を思いついて考えたスタッフ天才過ぎない?
このゲームが発売されたのはなんと2001年だけど令和6年の今この文章をそのまま世の中に出しても全然古臭さが無い。しいて言えば「200X年」を「20XX年」にするくらいか。
現実ではまさしく今、人々はスマホやタブレットなどの携帯端末を持っている。
まだ優れた人格こそ無いものの「Siri」だの「Alexa」だの「Google」だのの音声アシスタントに話しかけたりもする。
昨今では(未だあらゆる方面で多くの議論を必要とはしているが)AIの登場により人の会話に近い自然な受け答えができるようになってきた。
PCやスマホだけでなく、エアコンや冷蔵庫などの家電もネットワークに接続できることが増えており、「スマートホーム」によりあらゆるものがネットワークを通じて操作できるようになっている。
その一方、残念なことにネットワーク犯罪も増えている。
フィッシング詐欺やマルウェアも増えている他、インターネット上で仮想的に集まって犯罪に結びつける組織的犯行も起きている。
闇バイトなどがそれに該当するだろう。
このように、僕らの世界は確実に「ロックマンエグゼ」の世界へと近づいている。
僕らの先の未来を僕らの過去の人たちは既に思いついていたのだ。
さらに遡れば名だたるSF作家や漫画家などが似たような設定を考えているかもしれないが、ロックマンエグゼは「子供にもわかりやすく、(色々と犯罪は起こるが)描かれている世界に憧れられるように」作り上げているのが素晴らしい。
自分や社会にどんな良い/悪い影響を与えるのかはさておき、「PET」…というよりネットナビと同等のものが早く出てきて欲しいと願うばかりである。
ネットナビと言えば、今作のネットナビは主に「ロックマン」シリーズに出てきたロボットを基にリデザインされている。
一番わかりやすい例は勿論ロックマンだろう。
本家ロックマンは主に青を用いたボディだが、ロックマン.EXEは胸のマークや肩部分に赤や黄色が拵えてある。
ファイアマンやウッドマンは本家では「燭台や木をイメージした着ぐるみを人が着ているような見た目のロボット」だったがエグゼでは「人型の異形」として「燭台をモチーフにした人型の怪物」「木をモチーフにした(辛うじて)人型の怪物」と称した方が分かりやすいレベルになっている。
しかしその一方異形/怪物にしては気持ち悪さはなく、本家と比べてリデザインの大きいネットナビも「かっこいい」「可愛い」「迫力が増した」…等々子供が見てもポジティブに受け取れるようにリデザインがされている。
自分はエグゼでロックマンを知ってから本家をやった人間だが、「本家のデザインをエグゼ風に落とし込むとああなるよね」と非常に納得感のあるリデザインだった。
そして本家からエグゼへの流用について、黒幕であるワイリーも例外ではない。
エグゼ世界のワイリーはモノクルを付けており、本家より憎しみの強そうな形相となっている。
本家のジャンピング土下座しそうなコミカルさは薄れてしまったが、「世界征服しそうな悪役」としては僕はエグゼのワイリーのほうが好みだ。
さてその一方、本家になくてエグゼにあるキャラクター要素といえばもちろん光熱斗たち現実の人間たちであろう。
熱斗は少しおバカだが元気いっぱいの熱血少年。
メイルはそんな熱斗のことが気になる隣に住んでいる幼馴染の女の子。
やいとは飛び級して熱斗と同じ学年にいる天才少女。
デカオはガキ大将的な部分もありつつも友情は大事にする熱い男。
炎山はキザでプライドが高いが実力も高く、熱斗のことが気に食わないライバルポジションで後に熱斗のことをライバルとして認めるようになる。
…子供向け作品の主人公としてあまりにもバランスがいい。
多分誰が欠けてもロックマンエグゼのストーリーは成り立たない。
熱斗の両親も光熱斗を科学的にかつ精神的に支える両親として幾度も活躍している。(パパはちょっとID偽造とか犯罪行為やっちゃってるけど)
悪人であるWWW団員も個性的な人物が多い。
1話ずつ出てくるので(WWWじゃない人もいるが)ストーリーと合わせて述べていく。
第一話:火野ケンイチ(通称ヒノケン)
熱斗とヒノケンの因縁はここから始まった。
ロックマンエグゼという作品はシリーズ通じて主人公の光熱斗(あるいは光家)とワイリーとの因縁が少なからずある作品だがこのヒノケンは5以外のナンバリング全てに登場している。
本人の性格に熱さはあるが熱苦しくはないと思う。
本作では家電メンテナンスサービス作業員に扮し、連続火災を起こしている。
…WWWの悪事としては序の口だなって思ったけど「連続火災」という点を考えると十分に極悪すぎる。
でも影響範囲が1つの街で済んでいるしこれでも小規模。
…こいつがいけしゃあしゃあと後の作品で(「3」や「4」で再犯したにも関わらず)社会に解放されてるのなんで?
第二話:日暮闇太郎
後のナンバリングでは光サイドとして登場するが本作ではWWW団員。
レアチップ欲しさにWWWに加入、教師として学校に忍び込み小学生たちに洗脳教育を施そうとしたところ熱斗達に撃破され改心した。
これも割とやってることえぐい。
怪しい宗教とかヤバい国とかは必ず子供への不適切な教育行ってるもんね。
本作で行われたものは即効性のある洗脳で、他の街では小学生による事件が起きていたりするらしい。
未来ある小学生が(本人の意思ではないといえ)犯罪に手を染める…嫌すぎる。
日暮がやったこと(秋原小学校での洗脳)は未遂に終わったから罪軽かったのかな?
ヒノケンと比べれば後の作品で社会に出て活躍していることに納得感はある。
第三話:人物なし(ストーンマン単独)
路線を岩で防いで運行の妨害。
明確な被害者は居ないが交通インフラの停止ということで影響は大きいだろう。
我々の世界でも雪の影響で電車が止まった時には多大なる影響があるので経済的な打撃は大きい気がする。
第四話:氷川清次
水道局の職員で、WWWはおろか裏の仕事もしていない至って真面目な一般人。
だったのだが、息子を人質に取られWWWの悪事に加担させられる。
アイスマンによりプログラムを凍結し断水事故を勃発させた。
またしてもインフラ関連への攻撃。
水が使えないというのは昨今の様々な事件、災害による断水の状況を鑑みてもとてつもない被害だろう。
インフラ周りってのは施設を押さえればそこの生活者を丸ごと人質にできるからテロリストに狙われると本当に危ないんだよね。
余談だがブラッディマンデイ(天才ハッカーがテロリストに立ち向かう漫画)でもインフラ施設は狙われまくっていたことを思い出した。
また読みたくなったな。
第五話:色綾まどい
お金を得るためにWWWに入団した女性。
キャラデザ好きなんだけどこの作品にしか出ないんだよねー残念。
交通インフラを占拠、人質に取ることでWWWの活動資金を得ようとした。
具体的には「信号機とも連動した自動運転システムを乗っ取ることで『車がバグった』ことを演出し、車のバグを取り除くプログラムを法外な値段で買わせる」というもの。
車同士がフルスピードで衝突してしまい爆発し粉々になっている描写もあり、影響のデカさと被害者の多さを鑑みても本作でトップクラスにやばいテロ。
やったことを鑑みると多分エグゼ6の時代でも釈放されていないであろう。
これを自動運転が現実のものとなりつつある令和の現在をやってみると、その恐ろしさが分かる。
他にも、バスの位置を検知してバスの運行に支障がないように信号機をかえるシステムは既に導入されている。
我々の世界では是非このようなテロが起きないようにシステムを作っていることを望みたい。
第六話:ジャック・エレキテル(エレキ伯爵)
電気と機械が主役の世界にすべくWWWに入団。
ワイリーもロボット技術軽視ネットワーク重視の社会に恨みを持って行動しているので気が合ったのだろう…と思いきやワイリーに陰口を放ったりもしている。
科学省を襲撃し、電気系統を壊すことで職員を窒息死させようとした。
エグゼ世界はネットワークが全ての中心であり、それを司る科学省は日本の中枢とも言える省庁だろう。
今まではなんやかんや一般人をターゲットにしたテロが多かったが、ここでいよいよ国の人間をターゲットにし始める。
優秀な技術者を多く失うことになると恐らくエグゼ日本は最低でも一時的には衰退するだろう…
直接の影響、被害者は少ないが間接的な打撃は多いと思った。
第七話:人物なし(ボンバーマン単独)
ウラインターネット(と言っても以降のシリーズと違い背景も何も変わらないが)から繋がるWWWの本拠地への道を守るナビ。
事件を起こしていないナビ。
ボンバーマンから何かのアクションをしたわけではないので、それゆえに語ることがあまり無い…
第八話:マハ・ジャラマ&ワイリー
マハ・ジャラマはワイリーの右腕。
相当ワイリーへの信奉が強いことは読み取れるが出てくるのが遅い&こちらも積極的なアクションが無いので語れることがあまり無い。
ワイリーはご存知WWWの首領。
今回は軍事衛星をドリームウイルスによって乗っ取り、週末戦争を引き起こそうとした。
コミカル要素は薄れた、と前述したが1においてはまだ本家ワイリーのコミカル要素の影響が強く、無駄にテンションを上げたり高笑いのあとに息切れしたりしている。
選ばれなかっただけで間違いなく光正(本家のライト博士、熱斗のお爺ちゃんで祐一郎の父親)に並ぶ天才であった。
科学省がロボット(ワイリー)ではなくネットワーク(光正)を選んだところからワイリーの心は歪み始める。
自分の技術力にとてつもない自信を持っていたり、自分を認めさせるための行動力はとてつもないものがあるので見習いたいものである。
色々と「心」や「自信の持ち方」について学ぶと悪役のどっしりとした自我が輝いて見えるんだな…
そんなワイリーが作った最強のウイルス「ドリームウイルス」だが…
弱い。
HPが1000しかないうえ攻撃も割とゆったりかつ分かりやすい。
ドリームオーラを展開はしているが、ドリームウイルスの攻撃する一瞬にはがれるのでオーラを突破する火力のあるチップを持っていなかったとしてもダメージを与えられる。
そしてアドバンスドコレクション公式チートである「バスターMAX」モードではチャージしていないバスター一発でオーラがはがれ、ロックマンの強化状態によってはバスター数発で沈んでしまう。
まあ1作目だしこんなもんか…
余りにも強すぎると子供たち買わなくなっちゃうからね。
「バスターボム」のチップでバスターをミニボムにして、ひたすらぽいぽいボムを投げて倒してる動画もあったりする。
倒すことでゲームクリア。
WWWの本拠地は爆発四散し、ワイリーは行方不明(熱斗達としては死亡?)の扱いとなる。
まとめ
『1』は不便な所がなくはないが、やはりストーリーや音楽の素晴らしさ、アクションとカードゲームの融合という革新的なバトルシステム、近未来としてのリアリティ、そしてそれが我々の住む現実で実現しつつあるという現状まで含めて、ゲームボーイアドバンスの最初期の作品としては相当完成されていたように感じた。
というかこれローンチタイトルってマジか…すごすぎる…
任天堂ですらマリオUSAの移植とかだったのに…(任天堂は他にも同時期にF-ZEROとかくるくるくるりんとか出してるけど)
今後もロックマンエグゼシリーズは配信でやっていくつもりだ。
ちなみに『2』は既に終わっていて現在『3』をやっているところである。
『2』の感想もさっさと書かなきゃね…
おわりに
今回は前回からあんまり間を開けずに書けたぞ~って思って前の記事の日付を見たらきっちり一ヶ月前でした。
いつもと変わらんペース。
書き始める前は「言うても1000文字くらいでしょ~」って思ってるんだけど書いていくと止まらなくなっちゃうんだよね。
長文を思うがままに書くのはアウトプットの練習としてはいいけど、
社会復帰の為には簡潔に伝えられることもそろそろ意識しなきゃいけないですね。
うつ病についての記事を上げられてませんが、他の罹患者に対しての誤解を招かないようにしたいしやはりセンシティブな話題でもあるしそもそも僕自身がリワークデイケアで日々自分を見つめ直す機会が未だにあるので、
なかなか上げるタイミングと適切な内容を見つけられていません。
他にも書きたい内容色々あるんだけど時間が足りないよ~~~~~~