物を大切にする義母
情報と物にあふれた現代で、物を大切にできることは、ステキなことだと思う。
でも、大切にしすぎて価値観がいつまでも、変わらないのもどうなのかなとも思う。
私の義母は、物を大切にする人。
自分が大切に使ってきたものを人にあげたいようで、「さっちゃん、これ使い」と、私にお声がかかります。
これまで、私にくれたものをここに、まとめておきます。
結婚式の引き出物の皿
夫と結婚して間もない頃、夫の実家にお邪魔した。
「さっちゃん、お皿いる?いくらあっても困らないから、持って帰り」
お義母さんが、おもむろに箱を抱ええて私の前に持ってきた。
数年前に結婚した妹の結婚式の引き出物の皿らしい。
夫は、「何でもかんでも押し付けるな。いらない」
と、強い口調でお義母さんに、スパッと言った。
私は、なんだかお義母さんがかわいそうだと思ってしまい、
「ありがとうございます。使わせてもらいます」
と、ありがたくお皿を頂いた。
これが、いけなかったのか?
その後義母はやたら、物をくれようとする。
新婚旅行のワンピース
義母「さっちゃん、私の新婚旅行の時に着た服があるんやけど、1回ぐらいしかきてないと思うし、さっちゃん細いから着れると思う」
私「????はい・・・」
35年以上前の夫の母が着たワンピースを私にくれようとしてる。
しかも、しれっと義母はワンピースの思い出について語った。
「これ着たあと、夫君が妊娠してることが分かったから、ほとんど着てないし、きれいよ」
いやいやいやいや、そんなん着れるわけないでしょう。
夫君ができるきっかけの時に着てた服なんか、普通に無理でしょ。
持ってこられた服は、こんな感じ。
・淡い緑で三角の幾何学模様をあしらったセットアップ。
・肩パット入りのブラウス 胸元に棒ネクタイ型のリボンがついている。
・膝下のプリーツスカート。
一昔前感がスゴい。
最近で例えるなら、なつぞらのなっちゃんが着てそうな服。
これには面食らってしまった。何とか丁重にお断りせねば!
私「私、普段ズボンばっかりで。そんな思いでの大事な服をどこに来ていったらいいか分かりませんし。すいませんが、もらえません」
私にしたらはっきり断れた。と、思ったのもつかの間。
義母は、「職場に着て行ったらいいのよ」
いやいや、皇室の人か。
職場の人に話したら爆笑されました。
夫からも言ってもらって何とか、受け取りを回避できました。
古文書化とした育児書
つい先日のことです。子どもを連れて、夫の実家に遊びにいきました。
義母がいいます。
「さっちゃん、育児書いるか?すごく分かりやすいのがあるのよ。
私もよくみてたし、役に立つから」
私もよくみてた????
買ってきてくれたとかではなく??どういうこと???
後半の言ってる意味がよく分からず、混乱している私をよそに、
義母が色あせた1冊の本を持ってきました。
なんと、夫君が生まれたときに使ってた育児書を私にあげようとしてました。
30年以上前の代物。
ボロボロで、ページがバラバラの本をセロハンテープで補強しながら、義母は言います。
「育児はそうそう変わらないから。これ分かりやすいし、持って帰りな」
5年前とかでも、古いって言われてしまうような、移り変わりの激しい時代に、育児が30年も変わらない訳ないでしょう。
天花粉、今使わないし。うつぶせ寝しないし。
実の娘には、「ネットで調べるからいい」と、断られたそうです。
それ聞くと、なんかまたかわいそうになってしまい、結局もらって帰ってきてしまいました。
おわりに
義母は本当に物を大切にする人。自分がいいと思ったものは、人もいいと思うはずと、絶対の自信があるようです。
江戸時代とか時代の流れがゆっくりな時だったら、義母の考え方はステキだったと思います。
でも、残念ながら現代社会は、日々目まぐるしく変わり続ける社会。
昨日までよしとされたことが、今日はダメなことに変わってしまう世の中。
いろんな情報と価値観にあふれている。
義母にとっては、とても生きづらいんだろうなって、思います。
本人は、生きづらいことにも気づいてなさそうですが。
読んでくださってありがとうございました。