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さようなら2024年、
2025年が明けてもう4日が経つけど、恥じずに堂々と2024年の振り返りを書く。
1年を端的に振り返ると、不妊治療に通い続けた1年、だった。
2023年年末に不妊治療の門を叩くことを決心して通い始め、あっという間に1年が経ってしまった。病院に通えばすぐ問題は解決すると思っていた。
妊娠は月に1回、年に12回しかチャンスはないのだ。不妊治療は途方もないものだ。通院頻度が高く時間もお金もかかる、ゴールが見えないと心はしんどい。
頭の中には、大きさは違えど常にそのことがいつ何時もあった。
けど、本当にそれだけだったのかと思うと虚しくなる。
だから今日は不妊治療を除いて、印象深かった出来事を振り返ってみる。
1月 引っ越し
2月 印象派展に行った
3月 花見・街歩きした
4月 初めてのサッカー観戦をした
5月 北海道食い倒れの旅をした、同窓会で旧友に再会した
6月 野鳥の子育てがはじまり、日々見守った
7月 激熱のなかのサッカー観戦をした
8月 実家で保護猫を飼いはじめた
9月 モネフレンズアライブ見に行った
松本・上高地ハイキング旅にでかけた
10月 ウォーキングイベントで20Km歩いた、大学の特別講義を6週間受けた
11月 紅葉始まらない高尾山ハイキングにでかけた
12月 四国4県レンタカーで巡る旅に行った
こうして1年を振り返ると、不妊治療以外もいろんなことができていた。
大晦日の夕方に夫と買い出しに出かける道中で、こんなふうに1月~12月の振り返りを話していたら、店までの道のりが一瞬だった。いい時間だった。
調子がよくなったから、1年をもう少し深堀ってみる。
*
1月に引っ越しして、自然豊かな公園のそばに住み始めた。
2023年12月に何気なしに見つけた賃貸情報。一目ぼれだった。
内見後、そのまま即契約入居を決めた家だ。
新居から心安らぐ風景が見える。
運動が得意でも趣味でもない夫婦が自然と外に出るようになった。
植物、野鳥、空気、公園内を歩く、走る人々、あらゆるものから季節の移り変わりを全身で感じた。野鳥の名前を10種類ほど覚えた。夏は綿毛のような雛の成長を見守った。鳥の親子、愛おしかった。
そんな生活を送っていると自然を好きになり、秋には上高地と高尾山にでかけた。海派が山派に寝返った年だった。ハイキングの気持ちよさを知ってしまった。
体力弱小夫婦だけど、引っ越し後に日課となった散歩のおかげか、歩く力がついた。ウィーキングイベントなるものにも参加して、20Km歩くことができた。継続は力なり、と聞きなれ尽くした言葉を残したい。
春、サッカー観戦を初めてした。初めてだったけど生の試合の面白さを他所でも話したら、お誘いをいただけて計3回見に行った。私が見に行く試合は全部負けた。でも、そのリアルさがたまらなかった。現実はドラマじゃない。負けた帰り道、大雨に打たれた。傘がなくてずぶぬれになって友人と笑いながら帰った。10年ぶりの青春だった。
毎日の隙間でいろんな本を読んだ。1年で75冊。
数年自己啓発本ばかりに手を取っていたことに少し嫌気がさして、小説やエッセイを読み始めた。
印象派展に行って、小難しいと嫌煙していたアートにもハマった。日常を儚くも美しく切り取る絵に惹かれた。
アート小説やエッセイを書く作家原田マハさんに出会った。まだまだ多くは読めていないけど、この方の作品が好きだ、と思った。もっと読みたい。
何かを取り入れるばかりで何も表現できない自分が恥ずかしくて、久しぶりにROM専を卒業してX投稿再開して、noteも初めて書いてみた。ブクログにも読んだ本の感想を書きとめるようになった。認知行動療法のアプリを使ってみた。手帳にも記録を残すように努めた。
自分の言葉は、とんでもなく浅いけど、何もないよりはましだと思えた。
不妊治療の合間をぬって旅行もいった。北海道と四国。海外旅行も行きたかったが、不妊治療中はなかなか先々の予定が立てにくい。妊娠・子供が出来たらさらにしばらくは行けないのでは…とも思ったが、なんだかんだ国内も行ったことがないところが沢山あるじゃないかと気付けた。
それなら行こうぞ、国内旅行。美しく、美味しい日本を楽しめ。
今年の旅行は数日前にようやく予定が決まった。だからずいぶん前から計画して、ワクワクを頼りに日々を乗り切る、みたいな楽しみ方はできなかった。それでも楽しかった、以前よりも余裕を持って。その街を楽しんで。ハプニングも愛そう。そんな心もちで旅行ができるようになった。
10月から大学の講義を受けた。毎週土曜日丸1日6週間の講義、事前事後の課題も毎回課される。私にとって、かなりチャレンジだった。今の自分はついていけるか不安だった。何より治療と仕事と講義が両立できるか不安だった。
2023年にも受けようと悩んだが、自分のライフプランを考えると今じゃないと思って諦めた。でもそのライフプランも想う様にはならなかった。それなら、いっそのこと、今やってしまえばいいじゃないか、と思い切った。
結果、思い切れてよかった。実務と結びついた学びが楽しかった。自分なりの学びを持ち帰ろうと真剣に受けられた。一緒に学びあった心強い仲間もできた。不妊治療を理由に諦めなくてよかった。
*
こうして振り返ると、自分の価値観が変わった年だったかもしれない。
不妊治療と向き合うことで、自分自身の弱さを知った。自身の感情に振り回されたくないと思った。いろんな経験を経て強い人になりたいと思った。
理想とする姿はまだまだほど遠い。
もっと1年でやりたいこともあった。何より子供が欲しかった。
でも、もう2024年はおしまい。
少しずつでも経験をして、大きくなっている自分をちゃんと認めよう。
いまは、こうして現状を書き留めて残す。記録する。