ASD式コミュニケーション術:Yes, but法
最近数人のASD当事者とお話しする機会があった。専門分野への造詣が深く、努力家で、尊敬できる人たちばかりだ。
しかし、彼らは口を揃えて言う。
『会話ができない』。
横から見ていて、そりゃそうだろうな、と思う。
理由は明確だ。
否定から入るのだ。
相手が話した内容を聞いて、返す返事がまず否定なのだ。
それは、ASD特有の正義感によるものかもしれない。厳密さによるものかもしれない。また、ASD当事者が生きてきた人生で、否定されることばかりだったからかもしれない。
だが、定型発達者は(というかこれまでの人生において否定されまくってきたASD当事者こそ)、否定されるのは嫌いだ。否定された瞬間に、心を閉ざす。その後いくら正論を並べ立てても、耳を傾けることができる人は、まぁ、少数派だろう。
その対策として、基本的な交渉術のYes, but法を挙げる。
相手を肯定した上で、一部分については私の考えは違う、と話を進めていくのだ。詳しくは『イエス・バット法』で検索してほしい。情報はいくらでも出てくる。
ASD者はコミュニケーションで困る。
その一つの対策が、交渉術を学ぶことだ。それは日常のコミュニケーションにも、仕事での対話でも役に立つ。
ASD当事者諸氏、そして定型発達の方々も、試してみてほしい。