見出し画像

【詩作】ねじまきの音

僕は凍りつくように流れてた
冬が明ける頃の明け方に
薄青い光と 雑踏が
重なりあえば
流れ続けて 腹が減る

汚れたニューバランスで
階段を降りる
喉を潤すために飲んだリポDの
空き瓶を捨てたホームのゴミ箱から
友人のような言葉が溢れてた

ごうごう号号
空空からからり
ららるるららる
暗暗くらり
暮らしは続く


頭の中で ねじまきの音
どうしていつも、どうして
と、考える。
歯切れの悪い ねじまきの音
いろんな人が 耳を塞いで
遠ざかる

僕は凍りつくように流れてた

過去がくれた文章を 
パーカーのひもにぶら下げて
僕は路傍の石のように
揺れていた
そしていつか、になれば
歌うような寝息を立てて 
穏やかに 過ごせるだろうか


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?