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ヨーロッパの闇と光 高橋巌を悼む

ネットニュースで高橋巌さんが死去されたことを知った。老衰95才と記されていた。
手元にある「ヨーロッパの闇と光」(イザラ書房)の奥付をみると昭和56年8月31日となっている。私が22才の頃に買った本だ。それ以来この本をずっと手元において読み続けてきた。もう43年の付き合いになる。

「ヨーロッパの闇と光」から得たものは大きい。知ったことも多い。
シュタイナーと出会い、ゲーテ、ノヴァーリス、フリードリヒ、ユング、リルケを知った。シュタイナーを通して志村ふくみさんの作品と出会った。
シュタイナーは長年関わり続けたがついに自分のものにならなかった。(諦めたわけではないけれど)しかしなぜかこの「ヨーロッパの闇と光」だけは読み続けた。
「感覚の優位」に書かれているゲーテの言葉
“感覚は誤らない、判断が誤るのである。”
という言葉を座右の銘として生きて来た。写真もこの言葉を大切にして撮り続けた。

高橋巌さんが書かれた本を読み続けた。つかめないけれど読み続けた。
私には師という方はいないのだけれど、もし誰か一人を選ぶなら間違いなく高橋巌さんだ。講演会で姿をお見掛けしただけだけれど、私が求めている人だと思った。
「ヨーロッパの闇と光」に書かれていることが私を覆い、私の行く道を照らしてくれたことにとても感謝する。この本と出会っていない私を考えることができない。
今年もう一度高橋巌さんの本を読み返そう。ゆっくりと魂を込めて。

高橋巌さん、本当にありがとうございました。

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