ロシア 西シベリア・ハルプ第3刑務所 モスクワ・ボリソフスコエ墓地
ロシア
2月16日、プーチン体制の打倒を目指して闘ってきた野党指導者、弁護士、反体制活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏が西シベリアのハルプ刑務所で獄中死した。3月1日、葬儀はモスクワのロシア正教会教会で執り行われ、同氏の遺体はボリソフスコエ墓地に埋葬された。享年47歳。
夫人のユリアさんは、
「プーチン大統領が私の夫を殺した。彼の命令で夫は3年間拷問を受けた」
と発言した。
ナワリヌイ氏は散歩の途中で死亡した、突然死症候群だったとする刑務所側の発表に対して、欧州議会など多くの国が調査を求めている。
ロシアの西半分を表示している。左下にモスクワ。右上にハルプ。1900キロ離れている。
ハルプは中央の少し上。
左はウラル山脈。川はオビ川。
人里離れた山の麓に孤立した村、ハルプ。
2020年、プーチン政権の関与が疑われる毒物による暗殺未遂事件。ドイツで治療。
2021年、帰国後すぐに拘束される。政府の汚職を追及していた関連団体がプーチン宮殿の存在を暴露。ナワリヌイ氏は刑務所に収監。
2022年、ウクライナ侵攻に反対表明。禁錮9年の判決。
2023年、過激派組織を設立したとして懲役19年の判決。ハルプ刑務所へ移送。
西シベリア・ハルプ
独裁者スターリンの時代に囚人たちによって刑務所が建設された。
衛星画像は、2024年2月14日。10月から5,6月は雪に覆われ、マイナス30度の寒さになる北極圏である。マーカー地点。
衛星画像は、2023年9月7日。雪がない時期を表示した。ズームイン。
刑務所棟が見えるだろうか。
第3刑務所
参考衛星画像は、2023年8月13日。ナワリヌイ氏が収監されたのは第3刑務所。「北極オオカミ」と通称される刑務所だ。ズームイン。
鉄道の駅がある。中央左下は第18刑務所、終身刑の受刑者が収監される。通称「北極フクロウ」。
ここが第3刑務所。右側に門があり、オオカミの石像がある。
ボリソフスコエ墓地
衛星画像は、2024年2月28日。2月24日、ナワリヌイ氏の遺体はようやく母親のリュドミラさんの元に引き渡された。モスクワ南東部。マーカー地点は墓地。ズームイン。
衛星画像は、2023年8月7日。川はモスクワ川。
参考衛星画像は、2021年7月7日。ナワリヌイ氏は無神論者であったが、近年ロシア正教会の会員になっていた。葬儀は、かつて住んでいた地区の教会で、両親や支持者が見守るなかで行われた。
当局による厳戒態勢にもかかわらず、1万6千人の市民が参列した。参加者はナワリヌイの名や戦争反対を連呼しながら、教会から墓地まで行進した。
埋葬の際にはフランク・シナトラの「マイウェイ」や、「ターミネーター2」の曲が演奏された。
葬儀後も多くの市民がナワリヌイ氏の墓を弔問に訪れている。合掌。
注記)
a.衛星画像は、欧州宇宙機関 ( European Space Agency : ESA ) が運用する COPERNICUS ブラウザからスクリーンショットしたものを使用しています。.
b.地図画像・参考衛星画像は、ESRI が運用する World Imagery Wayback からスクリーンショットしたものを使用しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?