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3代目の苦悩①経営者は社員の全責任を背負っている

みなさんこんにちは。
VALUES代表取締役の野口聡です。

しばらくは、基本無料記事で、私の社会人生活10年の中での自分自身のキャリアについて話をしていこうと思います。
今は独立して時間にはそこまで縛られずに仕事をしていますが、ここに辿り着くまでには様々な苦悩がありました。
その目の前に現れた壁を乗り越えるために、とにかく必死に自分なりに戦ってきたことが、今一つの教材になっています。
まずは、私の社会人生活をお読みいただきながら、共感や学びを得てもらえると幸いです。

まずは2年半勤めた親の会社での苦悩です。
転職に至るまで様々な苦悩とぶつかってきました。
経営者視点の悩みが多いので、気づきになる人も多かったり、
転職に至るまでのプロセスから、学びを得られる方もいると思います。

会社の全責任を背負う経営者という苦しみと耐え続けた先待つ崩壊。

まず一つ目の課題です。
私は、23歳(一浪生)に新卒で父の会社に入社致しました。
栃木にある工場で、売上は10億円以上。
親の年収は数千万円。
私は早稲田大学出身で、
実は家も車も買ってもらいました。
入るわけのない会社への就活もやる訳がなく、
正直「人生あがったぜ。」と心の中では思っており、
まだ世の中のことを何もわかっていなかったことをよく覚えています。

会社に入ってからは、大変なことの連続でした。
月の半分は週6勤務
早出と残業は毎日。
教育や研修もなく、同期もいない。同年代もいない。
相談相手もおらず、一人で栃木で生きていました。

でも肉体的な辛さはそこまで大変ではありません。
年収は数千万円もらえると思うと頑張れます。

一番最初にぶつかった壁は、

40名の社員の仕事の全責任を背負わないといけない。


という重圧でした。

みなさん経営者ならわかってくれるかも知れません。
サラリーマンの人たちはピンと来るでしょうか?
父からは、
「社員なんて信用するな!社員が問題を起こしてできることはせいぜい会社を辞めるくらいだ!」とよく言われていました。
私は、しばらく何を言ってるのかわかりませんでした。

これはつまりどういうことかというと、具体例がわかりやすいと思います。
例えば、父の会社では、とある商品のほとんど同じ味付けが2種類となりあって置かれていました。片方には”乳”が入っており、もう片方には入っていません。違いはほぼそれくらいです。
それを、社長や私はその場にいないことがほとんどなのですが、
社員の寝不足や注意不足、本当にたまたまのミスなどが起きたら、どうでしょうか。
当然人が死に、回収騒ぎになり、数千万円の損失や取引終了の連絡が来ることになります。
記者会見が開かれることになるかも知れません。

その際、必ず社長が呼ばれますが、そこで、
「あいつがやったんです!」
と社員を吊し上げにしている社長さんを見たこと、皆さんありますか?

「私の監督不行届です。誠に申し訳ございませんでした。」
と謝罪するのは社長です。
これが、社長の背負う責任でした。
最悪、書類送検されて前科者になったりもします。

経営者はトップダウンが楽、従業員はボトムアップがやりがいがある。互いに、自分の都合を押し付けているだけ。

だからこそ今になってみると理解できます。
父は口癖のように、「言われたことだけやれ!」と本気で言ってました。

そんな仕事つまらないし、僕含め多くの社員がこの環境を苦痛と感じていました。でも超トップダウンの父にもそれなりの理論がありました。

私は、社員の急な休み、機械のトラブル、予定の変更、
全て責任を擦りつけられました。
ひどいと思う人もいるかも知れませんが、現実はそうで、
ギリギリの中で耐え続けていました。

でも、父も一緒に戦っている。従業員を守るためなんだ。と乗り越えてきました。
ですが、とある発言で1年目の最後に精神崩壊し、父親の顔を見ると震えが止まらなくなってしまったのです。

1年間耐え続けた私の精神は無自覚にギリギリになっていた。

当時の私は、父からの言葉を素直に聞き、父=社長からの評価が全てだと考えていました。
「会社を俺が守らないといけないんだ。」と無理して全部なんとかしようと戦っていましたが、それは、父の『これは従業員を守るためなんだ』という言葉を信じていたからこそできたことでした。ただ、ある日、父の言動を聞いた時に、その言葉が本心ではない。辻褄が合った瞬間がありました。
その時、自分を支えていた心の柱が崩れる、ガラガラガラという音が聞こえたことを覚えています。気づくと膝から崩れ落ちていました。
それから、父が笑っていると、怒っている気がしたり、本心がわからなくなってしまい、2週間震えが止まらなくなり、兄にトイレまでついてきてもらう状態になりました。

その頃から、自分の身は自分で守らないといけない。と父を盲信することをやめました。
私の考え方が変わった一つ目の出来事でした。

解決策

では、どうすればいいのか。これに関しては、改善点がありすぎて一つの特効薬があるかというとそれは難しいと思います。
ただ、特に皆さんに気づいて欲しいのは、
・どこの社長も、最後は全ての責任を取らないといけない。
・トップダウンなんて今時じゃないと思うかも知れないが、実はボトムアップはすごい難しい。(トップダウンとボトムアップのメリットデメリットはまた別のタイミングで話します。)ヒントは「トップダウンは経営者に依存しますが、ボトムアップは従業員に依存する。」です。つまりどっちも意見を言いたい。これを読んだ皆さんは自社の上司や社長が、何故トップダウン、ボトムアップにしているのか考えてみてください。
・背負う、耐えるを続けると、いつか自分を滅ぼす。
の3点を感じ取ってもらえると嬉しいです。

今回の話は、転職に至った、弱い理由の一つです。
ただ、当時はどうしても現場だけの目線しか持てておらず、会社を見限った要因の一つだったと思います。

それでは、次の転職への決め手を話していきたいと思います。

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